Path: coconuts.jaist!norisuke.jaist!skylark!icspub!odins-suita!kuee-news!tamaru-news!Q.T.Honey!news.join.ad.jp!wnoc-tyo-news!wnoc-sfc-news!wnoc-kyo-news!news.csi.ad.jp!east-news.csi.ad.jp!yuge!not-for-mail From: Watanabe Yuu Newsgroups: fj.rec.games.video.pc,fj.rec.games.video.home Subject: Re: ADV(Re: YU-NO) Date: Fri, 30 Jan 1998 01:06:35 +0900 Organization: Yuge National College of Maritime Tech., Japan. Lines: 262 Message-ID: <34D0A90B.5761@yuge.ac.jp> References: Reply-To: s95046@yuge.ac.jp NNTP-Posting-Host: pdomc2.center.yuge.ac.jp Mime-Version: 1.0 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp Content-Transfer-Encoding: 7bit X-Mailer: Mozilla 3.03Gold [ja] (Win95; I) Xref: coconuts.jaist fj.rec.games.video.pc:16129 fj.rec.games.video.home:18530 みなさんこんばんは、渡邊@弓削商船です。 ここ三日間ほど航海実習に行っていたのでフォローが遅くなってしまいました。 で、おまけに鬼塚さんのサイトからの記事はどうもうちまでの配送が遅いよう なので、JAISTで記事を見てるので多少話が前後します。 Message-ID: に対するフォローだと思って下さい。 #ぜんぜん議論と関係無いですが、海はいいですよ。海は。ここを読んでいる #若者諸君、ゲームという大海に航海に出よう!なあに多少しけても知恵と #勇気と根性で切り抜けるのです。 >あの、結構その建設的議論だと思うんですよ。 >まあ、この点については、研究会での発表も控えているので、そういう意味で >も、いろいろ楽しい議論にしましょうよ。 あ、はいこちらももちろんそのつもりです。どうぞよろしく。 >つうことで、いろいろ書こうと思います。別に論争になっているわけではない >と思いますよ。 そうですね、ディスカッションといったところでしょうか。 >これですね。これ。 >で、その、毎日、普通に生活していて、人間そんなに凄い事件に巻き込まれる >ことはないので、結局、設定と自由な行動というので指定されたストーリーの >存在しないRPGで、楽しい、スリリングで、エクサイティングで、萌え萌えな >話ができるかどうか、っていうと、それがたぶん、難しい。かといって、エク >サイティングなストーリーやスリリングなストーリーを作ってしまったとたん >に、フラグ立てダケが残るようなものになり、本質的なゲーム性は失われるこ >とになる。そのバランスがどうかということだと思いますね。 そういえばその事がすっかり頭から抜け落ちてました。まあ、前述のルナティッ クドーンに限って言えば、ゲーム内である程度時間の経過があれば、魔王復活の イベントが発生して(もちろん最初の家は誰もそんなことを知らないワケですが )取りあえず倒すとハッピーエンドになったような気がしました。 今話題のウリィティマオンラインも、ようは自分以外のキャラを実際に人間が 操作している仮想現実上での日常生活なワケなんですよね。 最近、単調な生活に飽きて(サーバーダウンがしょっちゅうあるのも原因の一因 でしょうが)まだお試し期間の3ヶ月もたっていないのにやめてしまった人を 知っています。 >いやその、本当のシミュレーションゲームというものの存在していることは、 >分かるんです。ただ、どのシミュレーションゲームも本当のシミュレーション >ではなくて、なんらかの「現実から切り出した部分」のシミュレーションにな っ >ているはずです。 はい。おっしゃるとおりです。 >その意味で、「現実から切り出した部分」はゲームにできてもその他の部分は >設定や、ストーリーやイベントの作り込みで逃げることになるでしょ。 > >結局、シミュレーション対象のモデル化がどうなっているかということで、そ >こを本格的にやりだすと、そうとう大変なんですよね。 > >「ときメモ」なんていうのは、とことんその辺を単純にして、それこそ女の子 >の行動をすっごい単純にしてシミュレーションにしちゃった。あれは、脳味噌 >クラゲな短細胞な女の子を想定して、それを攻略するゲームになっています ね。 >非常に典型的な性格をモデル化している。そういう意味では立派なシミュレー >ションなんだと思いますよ。現実の女の子はそうは動きませんけれどね。で も、 >ある程度、うまい部分を切り出しているから、萌える人がいる。まあ、この切 >りだしの妙っていうのが、クリエータの技って気がしますね。その点が、アル >ゴリズムを考えるコンピュータサイエンティストが全然できなかったことだと >思うんですよ。 なるほど。現実の抽象化、というわけですね。 >いわば、将棋やマージャンやトランプなどの盤をコンピュータがやっているっ >てことですよね。 まあそのとおりだと思います。人間が手で実物を用意してやるよりかよっぽど 楽ですしね。例えばWindowsに標準でついてくるゲームにソリティアとマイン スイーパがありますが、ソリティアなどは中毒患者(笑)を出すほど習慣性の あるゲームですが、あれを現実でトランプで何回もやる人間がいるとは思いま せん。 >まあ、これも、結構自然現象、社会現象のモデリングとしては、非常にまっと >うな方法だと思いますけれどね。 そうですね。ちょっとひねた考え方をすると、コンピューターで扱う以上数値で ないと扱えないわけです。その数値化のバランスが難しいんでしょうが・・ で、途中基本的に同意出来る(←うわ〜なんかえらそう)意見が続くので中略 します。 >この辺は、そのクリエータという人の方向性でもあるんですよね。一次ゲーム >は上にも書いたように、アルゴリズムそのものですから、そういうものは結局 >プログラマが作るゲームです。ところが、プログラミングというのはやっぱり >そんなに多くの人ができるものではない。そこで、ストーリーライティングや >絵や音楽などの総合的なものとして、プログラムがその要素になっていってる >のが、現在のゲームでしょう。ゲーム製作がプログラミングから、エンターテ >イメントになっているってことかな。 そう、ここがまさに問題なわけです。自分は昔プログラマーを目指して途中で 放り出したくちですが(といっても小学校の頃)、プログラマーという人には 数学的センスが非常に求められるワケです。しかも、半端な数学的センスで なく、少なくとも大学院レベルの知能がないと、とてもじゃないですが効率的 、かつ先を読むことの出来るコンピュータの思考ルーチンは組めません(と、 断言してしまいましたが、そのへんにある単純なゲームの模倣、もしくはもう 一般的になったルーチンなどは比較的簡単に作れるとおもいます)。 また、3Dゲームの当たり判定なども通常の2次元の当たり判定とは違って さらに奥行きが加わるワケですから、3角関数やその他数学の公式は必須です。 (実はこの辺が挫折の原因だったりする。どうしてもZ軸の概念が当時は 解らなかった。そして今はWindowsの言語の面倒くささが更にプログラミングを 取っつきにくくしてるんですよね。F-BASICがほし〜) 誤解のないように行っておきますが、ここで言っているプログラマーというのは 主にアルゴリズムを組立てる人のことを指していて、もっぱら型が決まった システム上で組立作業をする人とは別です。例えば、アリスソフトさんは システム3.5を太っ腹にも公開していますが、そのシステム自身をつくった アリスの方はともかく、その上で単純なコマンドを書いてゲームを作る我々 素人さんは、確かにプログラマーですが上のプログラマーとは違います。 なにかいい呼びわけかたはありませんかね。 例えば、将棋や囲碁の思考ルーチンは開発されるようになってもう10年以上 立ちますが、プロの人間に勝てる物はまだ出来ていません。チェスの様な 比較的ルールの単純なゲームでさえ専用コンピュータを使ってやっとこさ 勝てるようになったものです。 あと、昔はゲームのプログラミングがゲームデザインに直結していました が、(なにせ作っているのが数人の時代だから、デザイナーが直接自分で グラフィックを書いて音楽を作ってプログラミングしているのだから当然 と言えば当然)最近は分業化が進んでいる以上、そのすりあわせをする プロデューサーのセンスの方が重要なのかも知れません。特に2次ゲーム になると。 >はい。こういう方面は、まさに、クリエーター的なゲーム製作(絵やストーリ ー >の製作)と、アルゴリズム的なゲーム製作との中間点だとおもいます。 > >上でも述べたように、一次ゲームの製作、ゲームシステムの製作というプログ >ラミング主体/アルゴリズム主体の部分と、アート的なゲーム製作、絵やキャ >ラクターやストーリーという部分が現状では非常に乖離していると思います。 プログラマーの仕事が想像でなく、ただの組立作業とかしていますからね。 >優れているというよりは、ストーリー主体で考えたときには、ビジュアルノベ >ルのような形式が、基本的に「純粋である」といったほうが良いでしょう。ア >ドベンチャーゲームはそれに付加的要素がいろいろついているということで す。 >そして、その付加的要素については、アドベンチャーゲームの「探索」という >ことのほかに、マージャンでも、タクティカルゲームでも、ジャンケンでもク >イズでもなんでも付加的要素になれる。で、ストーリーのある二次ゲームはア >ルゴリズム主体の一次ゲームを部品として繋ぐものであるということです。 > >「純粋である」にしましょうか。それなら反発する人も少ないでしょう。 はい。了解しました。 >逆にいえば、これが、日本におけるゲームの革命だったといえるんではないか >と思いますよ。一次ゲームを新規に作るのは、新しい理論を作るようなもの で、 >それこそ、一つ一つが発明に類するものです。もちろん、類似品を作るなら楽 >ですが、将棋に相当するゲームを一から作ろうとする、マージャンに相当する >ゲームを一から作ろうとするのは、本当に独創性と運がないとできないくらい >のものです。その意味で、オセロゲームだって、すごい発明だと思いますね。 たしか、オセロゲームを発明されたのは、日本のサラリーマンの方でしたっけ? たしかそういう事を聞いたことがあったのですが。 >だから、一次ゲームはいくつかの系統に分かれる。ボードゲーム系統、モデル >化されたシミュレーションゲーム、アドベンチャー的なパズルなどなど。 このことが、一般的に言う「ジャンルわけ」なのでしょうね。 >まあ、生産性の向上という意味では、革命ですよ。 貧乏な私としてはあまり生産性が向上してもうれしくない・・・(笑) まあ、多くの中から選択の自由が出来たことは消費者にとって歓迎 すべきことだとおもいます。 >その意味で、ストーリーが厳密には決まっていないが、なんか、複数のストー >リーが生成されるようなポテンシャルがあって、プレイヤーの自由度も非常に >高いが、ある程度想定されたストーリーになるように力がかかるようなゲーム っ >ていうのが作れないか、と思うんです。 > >完全なRPGやシミュレーションゲームというもの、まあ、私が思うのは、プ >レイヤーがゲームの世界の住人になってその場その場でいろいろできるような >ゲームがあるとしますと、ここで「感動的ストーリー」が生まれる可能性は非 >常に少ない。 > >たとえ、そのゲームの中の世界に魔法があろうと、テレポートができようと、 >そういうのが通用するのゲームの世界の中では、それら魔法やテレポートやそ >ういうものが、楽しいストーリーを生み出す切っ掛けになるとも思えない。た >だ、現実の世界とは多少違うってだけです。 > >そこで、ストーリーの方向に導くような力がある。そういうようなゲームの可 >能性があるんじゃないかと思います。力はあるが、それは強制的なものではな >くて、プレイヤーにとっては、その場その場で考えられるだけの自由度はあ る。 >そういうものだと思いますね。 うむむ、ますますシナリオが重要になってきますね。プレイヤーには 制作者の意図を気づかせず、意図のとおりに行動して貰うという、 究極の問題ですね。悪く言えば騙し合いですが、よく言えば非常に知的で 高度な心理、あるいは思考ゲームであるとおもいます。 ここのところの発展を放棄し、プレイヤーとのなれ合いになってしまうのが いわゆる「お約束」ですよね。ある意味、お約束と言うのは非常に保守的な 考え方ですよね。古い殻を破けず、既存の殻の中に閉じこもってしまって いる。 よく、ゲーム好きの人間が作った話は何処かで見たようなものになるという 事を聞きますが、視野を広く持つためにも、シナリオは専門の人が育つのを 期待します。 >で、私よくわかりませんが、アメリカで、将棋やチェスや囲碁などに対応する >ような凄い一次ゲームが、毎年毎年どしどし登場しているんですか?やっぱり >分類学が可能なくらい、系列化しているんじゃないかと思いますよ。 >それぞれの系統で進化はしているだろうけれど。 あ、いや将棋や囲碁のようでなくても、例えばシムシティやDOOMも 立派な1次ゲームと言えると思うんです。ちょっと昔になりますが アローン・イン・ザ・ダークとかも。 なにがどう1次かというと、例えばシムシティとかはジャンルで言ったら シミュレーションでしょうが、「リアルタイムで成長する」という概念は それまで無かったと思うんですよね。こういえば「いや、ポピュラスが あるぞ」とか言う人もいるでしょうが、ポピュラスは基本的に陣取り ゲームなので除外します。 >まあ、日本でも、一次ゲームといえるものについて、タクティカルゲームなど >は、それぞれ違う。たとえば、サクラ大戦のタクティカルゲームとユナ3のタ >クティカルゲームは微妙に違うんです。そういう意味では、日本のゲームの中 >の一次ゲームも、進化はしています。 退化しているのもあったりするので困りものですが(笑) で、ここから話は変わりますが、パソコンゲームの市場というのは一時 少なくなってしまって、一般ゲームと18禁ゲームの比率が途中から逆転 しているんですよね。 最近またパソコンを購入した人が増えてきているのか市場が大きくなって きているようですが、どっちかというとコンシューマと比べるとまだまだ 小さい。そして濃い人が多いと思うんですよ。 よく言えば成熟している、悪く言えば閉塞的であると。 18禁ゲームが増えてしまったのは、2次ゲームを増長させる一因と なってっしまっただろうし、「売れなくなった」一般ゲームは冒険 することをためらうようになってしまった。ゲーム会社も食っていかなけ ればならないですしね。 パソコンは、いまあるコンピュータゲームが出来る機械の中でただ一つ、 「自分で作ることの出来る」機械だと思うんですよ。 マイコンBASICマガジンを見ればわかりますが、1次ゲームを複合 させた2次的なシステム要素はどんどん新しい物が考えられているんです よ。われわれ素人さんたちの間でも。どっちかというとプロでない人の方が 時間に捕らわれずに作業できる分だけ、いいアイデアが出せたりするん じゃないかと思ったりもします。 が、一発型のも多く、本当に奥が深いシステムを作ろうとなるとそれこそ 時間がかかるでしょうしねえ。 もっとアマチュアプログラマーが増えて、底辺が広がることで今までにない ゲームの考えを持った人も出てくるかもしれません。 #そのへんサターンBASICには期待してたのにどうなっちゃったんだろう・・ ##かなり余談。ゲームを語るのにやったソフトの本数や年月は関係ないと ##思う。確かに、たくさんやってたほうが知識としては上でしょうが・・ ##あと、もっとゲーム黎明期からのプレイヤーの人の意見もお聞きして ##みたいです。 ----------------------------------------  弓削商船高等専門学校 商船学科3学年  渡邊 優  mailto:s95046@yuge.ac.jp ----------------------------------------