Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!wnoc-sfc-news!yilnws!hamamatsu-pc!news.tcp-net.ad.jp!niq0!nuis!news.cc.nagoya-u.ac.jp!nucc.cc.nagoya-u.ac.jp!not-for-mail From: d43013a@nucc.cc.nagoya-u.ac.jp (Yukihiko Namikawa) Newsgroups: fj.education Subject: Re: Quality of a university (Re: [pseudo]) Date: 29 Jul 1995 10:30:45 +0900 Organization: Graduate School of Mathematics, Nagoya University, Nagoya, Japan. Lines: 46 Distribution: fj Message-ID: <3vc305$er1@nucc.cc.nagoya-u.ac.jp> References: NNTP-Posting-Host: nucc.cc.nagoya-u.ac.jp 名大の浪川です In article makino@chianti.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) writes: >>>>>> On 27 Jul 95 11:57:00 GMT, kikuchi@phys.sci.osaka-u.ac.jp >(M.Kikuchi) said: >> さて、哲学書と銘うたれているものについては、若干問題が違うと思っています。 (中略) >> まあ所詮罪の大小の問題で、罪があるには違いないのかもしれません。 >> 哲学書ならよい、のではなく、まだまし、なのです。 > >どうでもいいですが中を読んだうえで(あるいはせめて表紙と帯くらいは見た >上で)おっしゃっているのでしょうか?読者に科学書と哲学書の区別がついた >としても「この哲学者は科学もわかる素晴らしい人だ」と思うかもしれません。 >「哲学書」というラベルがあるからといって読者が「ワンクッション置いて読 >む」ことを期待するのは、やはり「専門家」の態度だと思いますよ。 > >牧野@東大駒場 最初の牧野さんの記事にフォローしておくべきであったかも知れません。 両方とも問題であることは事実ですが、対応の仕方に違いが出てくることは意識する 必要があります。 似非科学書に対しては(「似非」なんだから、玄人には区別がついても、素人には 分からないに決まっている!)科学の領域で、その記事が非科学的であると論破すれば 一応目的は達成されます。 しかし哲学書の中の似非科学記述に対しては、その記述自体の非科学性を指摘しても その書物全体の問題性を指摘することになるとはストレートには言えません。それを するには哲学の土俵の中で議論を展開する必要があり、逆に我々にはやや荷が重くなる ことは確かでしょう。 しかし私達専門家がもっときちんと発言すべきでしょうね。 辞めさせたりすることは難しいでしょうが、批判することは出来ます。そうすることが 大学の自治を守ることにもなると思いますが。 オウムの事件もあって(というより、これは一つの現れと見るべきでしょうね)、 科学というものへの信頼感と理解とが著しく低下しています。科学とはどういう 学問なのか、科学における創造的研究とはどういうことなのか、理工系の学生でも 理解が十分ではないでしょう。ましてや社会一般では。 #え、大学の先生も分かってないだろうって? 御意 _o_ -- * * * * 浪川 幸彦 * * * * * 名古屋大学多元数理科学研究科 * * * * d43013a@nucc.cc.nagoya-u.ac.jp * * * namikawa@math.nagoya-u.ac.jp