Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!news02.sinfony.ad.jp!Q.T.Honey!quest-news!news.t.u-tokyo.ac.jp!news.nc.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@grape.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.math,fj.sci.physics Subject: Re: オブジェクト(対象)とメタ Date: 15 Jul 1998 00:11:01 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 48 Message-ID: <6ogs2l$jr9@news.nc.u-tokyo.ac.jp> References: <01bdabf9$67f41de0$82a5f4c0@tecra_71.rtri.or.jp> <6obppr$o2r@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <6od5o2$n7p@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <6odhon$4eg@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <6oenbk$u1@news.nc.u-tokyo.ac.jp> NNTP-Posting-Host: provence.c.u-tokyo.ac.jp X-Newsreader: mnews [version 1.19PL2] 1996-01/26(Fri) Xref: coconuts.jaist fj.sci.math:6219 fj.sci.physics:8125 の記事において okatsuya@venusux1.kek.jpさんは書きました。 >> > >> 統計法則が成立していれば, 系が十分大きければ, 孤立系というのが良い近似 >> > >> である事が導かれます. >> > >> > あの、、、すみません、なぜそうなるのか全然わからないので、ちょっ >> > と導いてみていただけませんか。 >> >> 単に, 系の規模が大きくなれば, カノニカル分布をミクロカノニカル分布で近 >> 似できるという事を言っているのですが. あ、そうか、「統計法則」というのは、岡部さんがまえにあげた「平衡 状態の統計物理学の基本仮定」のことを指していたのですね。これは了 解しました。 >> とりあえず, 思い出せる所だけ書き出してみます. >> ボルツマン方程式の解の平衡状態への近付き方は, 平衡状態で 0 となる巨視 >> 的変数 X に対して, 一般に X = Xo exp(-a t) という形になります (t は時 >> 間). >> しかし, 現実には t^b に比例する形で平衡に近付く事が, 多くの場合に観測 >> されているという話だったと思います. 水谷さんも指摘されていましたが、衝突項(散乱項)に関する仮定の問 題に過ぎないと思います。衝突項にたいして何らかの仮定をしないでボ ルツマン方程式を解くなんてことはありえないですから。 >> その上で, 統計物理学の諸法則が微視的法則から導かれるのでは無いと言った >> のです. >> 巨視的な記述というのは, 私が言っている統計物理学の諸法則に含まれるので >> はなく, 統計物理学の諸法則と微視的法則から導かれるものです. もちろん、「(平衡)統計物理学の諸法則」は天下りに与えられるという 立場であればそういうことになりますね。岡部さんは「(平衡)統計物理 学の諸法則」というのはそれ以上何かに還元することが出来ない、「基 本法則」というべきものであるというふうにお考えなわけですね。それ はそれで健全な立場であると思います。 が、「(平衡)統計物理学の諸法則」というのも厳密な意味で「現実に 存在する」とはいい難い「熱平衡状態」に対してしか成り立たないわけ ですね。そういうものから現実の系に対する巨視的な記述を導びいてよ い理由はどういうものであるとお考えでしょうか。 もちろん、「実際にうまくいってるんだから、それでいいじゃん」とい うことであればそれでかまわないのですが、その時には例えば分子動力 学計算の正当性を疑う根拠がちょっと曖昧になるように思います。 牧野@東大駒場