Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!news.nc.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@grape.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.math,fj.sci.physics Subject: Re: オブジェクト(対象)とメタ Date: 16 Jul 1998 15:53:25 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 57 Message-ID: <6ol7lm$s1u@news.nc.u-tokyo.ac.jp> References: <6ogs2l$jr9@news.nc.u-tokyo.ac.jp> NNTP-Posting-Host: provence.c.u-tokyo.ac.jp X-Newsreader: mnews [version 1.19PL2] 1996-01/26(Fri) Xref: coconuts.jaist fj.sci.math:6227 fj.sci.physics:8155 の記事において okatsuya@venusux1.kek.jpさんは書きました。 >> ボルツマン方程式が短時間しか成り立たないと書いてあったのは, Reichl >> の「現代統計物理 下」(丸善) の「16. 長時間のべき乗的ふるまい」でした. >> ただ, 検証は, 現実の実験ではなく, コンピュータ実験で時間相関関数を観測 >> する事によって行われたとありました. はあ、数値計算の話ですか。すみません、本が手元にありませんので、 どういう系に対して何を調べたかというのをお伺いしてもよろしいです か。 あと、岡部さんのお考えでは数値計算で何か示すということはどういう 場合に可能なのかということも御教示いただけないでしょうか。 >> 牧野さんや水谷さんの言うボルツマン方程式とは何です? 一体分布関数ではかけないものすべてを「衝突項」という名前で書いた もののことです。衝突項が2体で書けるというのはすでに仮定であるとい うことになります。 >> 念のために言っておきますが, 還元するのではなく, 別の法則から同じ結果を >> 出すという事であれば可能だと思います. 別の法則とは例えばどんなものですか。また「別の法則から同じ結果を 出す」というのと「還元する」というのは具体的にはどう違うのですか。 >> 既に述べましたが, 現実の系に対して孤立系というのが良い近似になっている >> からです. ほう、厳密に成り立たなくても、「良い近似」であればよいわけですね。 >> ある系に着目した場合, その系全体が熱平衡になっていなくても, 部分系に分 >> 割してみたとき, 各部分が十分な大きさを持っていれば, その部分に対して熱 >> 平衡という概念を適用する事ができます (いわゆる局所平衡状態ですね). 「部分系に対しては熱平衡という概念を(近似的に)適用できる」とい うことは岡部さんの考えではどのようにして保証されるのですか。拡散 係数とか緩和時間とか平均自由行程とかいった運動学的な概念を使わな いでそういうことがいえるのでしたら興味深いと思います。 >> 局所平衡にもなっていないような場合は, 巨視的とは呼べないでしょう. で、LTEが保証されないという意味で巨視的でない系には統計力学は適用 できないとでもおっしゃるのでしょうか。 >> ただ単に, 数値計算でエルゴート性の証明を行う方法を私は思いつかないので, >> 証明が妥当であるというのであれば, どうやって私が指摘したような問題を避 >> けているのかが知りたかっただけなのですが. 誰も数値計算でエルゴード性の「証明」が出来るなんていうことを書い てはいませんが、、、 牧野@東大駒場