Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!news.nc.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@grape.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.math,fj.sci.physics Subject: Re: オブジェクト(対象)とメタ Date: 19 Jul 1998 10:25:57 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 65 Message-ID: <6oshjl$gfn@news.nc.u-tokyo.ac.jp> References: <6ogs2l$jr9@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <6ol7lm$s1u@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <6omglc$7q@news.nc.u-tokyo.ac.jp> NNTP-Posting-Host: provence.c.u-tokyo.ac.jp X-Newsreader: mnews [version 1.19PL2] 1996-01/26(Fri) Xref: coconuts.jaist fj.sci.math:6254 fj.sci.physics:8199 牧野@東大駒場です。 ええと、Reichl の本では、確かに希薄気体で2体近似出来るものについ てそういう近似をしたものをボルツマン方程式と呼ぶようですね。これ は勉強になりました。 さて、 の記事において okatsuya@venusux1.kek.jpさんは書きました。 >> 数値実験という事であれば, それだけで正しいとは言えないでしょう. ふむ、なるほど、正しいとはいえないと考えていらっしゃる例をあげた ということですか。まあいいでしょう。 >> 検証もしていないものを専門の方が信じ込むとは思えないので, おそらく, 数 >> 値実験自身の検証も別に行われていると思いますが, この認識は甘いですか? 岡部さんのいう「検証」というのがどういうものかわからないので、甘 いかどうかはわかりません。 >> 何度も言いますが, 私の主張はミクロな法則_だけ_からマクロな法則は出てこ >> ないと言う事です. そのことと、ボルツマン方程式とは合わないことが起きるというのは無 関係ということはよろしいですね。で、剛体球の数値計算の場合には、 ミクロな法則_だけ_からマクロな法則が出てきてはいないんですか。下 に書かれたことから想像すると、数値誤差がなければマクロな法則は出 てこないはずだとお考えのようにも思いますが、そういうことを主張さ れているのでしょうか。 >> そういう意味であれば, 還元される事もあり得ると思います. なるほど、これも言葉の使い方の問題であると。 >> > なるほど、そう思われるわけですね。それはどうしてでしょうか? >> >> どうすれば適用できるのでしょう? >> 私には思い付きませんが. 熱平衡状態を議論するのであれば、別に LTE が保証される必要はどこに もないですが、LTE が保証されない系に平衡状態の統計力学が適用出来 ないとお考えになる理由はなんですか?局所平衡というのは、あくまで も全体が非平衡の時にローカルには平衡とみなしていいという意味です から、全体が平衡の時にはそもそも意味がない概念です。 あと、ちょっと話を戻すと、岡部さんの考えでは LTE というのはどうやっ て保証されるんでしたっけ。結局お答えいただいていないですよね。 >> 数値実験の丸め誤差などが, 外部環境から来る不定さをエミュレートしている >> からこそ, 数値実験においてそれらしい結果が得られるのだろうという認識を >> 持っていたのですが. >> # もしそうなら, 閉じた系に対するシュミレートではないですね. >> そうでないと, 本来時間発展に対して対称な微視的法則から, 非対称な巨視的 >> 法則は出て来ないのではないでしょうか? あの、、、答える前に念のため確認したいのですが、剛体球系のような 孤立系がカオス的であっても数値計算による誤差等がなければ統計力学 なり熱力学が成り立つような振舞いはしないはずであるとお考えである のでしょうか。それとも、そういう意味ではないなにか違うことをおっ しゃっているのでしょうか。 牧野@東大駒場