Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!news.nc.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@grape.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.math,fj.sci.physics Subject: Re: オブジェクト(対象)とメタ Date: 22 Jul 1998 00:22:52 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 79 Message-ID: <6p3bct$ruc@news.nc.u-tokyo.ac.jp> References: <6ogs2l$jr9@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <6ol7lm$s1u@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <6omglc$7q@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <6oshjl$gfn@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <6ovq04$5uv@news.nc.u-tokyo.ac.jp> NNTP-Posting-Host: provence.c.u-tokyo.ac.jp X-Newsreader: mnews [version 1.19PL2] 1996-01/26(Fri) Xref: coconuts.jaist fj.sci.math:6284 fj.sci.physics:8243 の記事において okatsuya@venusux1.kek.jpさんは書きました。 >> 相関関数は直接には観測できないでしょう. >> 相関関数の違いによって, 異なる大きさを持つ物性定数 (緩和時間とか粘性定 >> 数?) を比較すれば良いと思いますが. なるほど、いくつかの予言があってれば岡部さんの考えでは「検証」さ れたことになるわけですね。これは了解しました。 >> > ほう、なるほど。で、「粗視化」というは岡部さんが前にあげられた統計力学 >> > の基本法則とはどういう関係にあるのですか? >> >> 平衡系の統計物理学はそれ自身で閉じてますので, 別に粗視化等の概念を導入 >> する必要は無いと思います. なるほど、関係ないと岡部さんは考えていらっしゃるということですね。 >> 粗視化が必要であるという事が_極めて当たり前_なのですか? >> 理由を説明してもらえますか? 観測には粗視化が伴うからです。熱力学的な量を出すにはなんらかの意 味での粗視化が必要ですね。 >> 私が挙げたのが, 本当に平衡系の統計力学の基本法則なのかは解りませんが, >> 平衡系の統計力学の基本法則は必要な仮定であるという考えです. ふむふむ、なにが必要かはわからないがなにかが必要であるはずだとい う信念をお持ちであるということですね。よくわかりました。 >> > > 「部分系に対しては熱平衡という概念を(近似的に)適用できる」とい >> > > うことは岡部さんの考えではどのようにして保証されるのですか。 >> > >> > というものです。 >> >> 質問の意図がようやく理解できました. >> 上記の文章を「どんな部分系に対しても熱平衡という概念を(近似的に)適用 >> できる」という意味に理解したのですね. いいえ、岡部さんは依然として理解されていないように思います。「う まく部分系をとれば熱平衡という概念を適用できる」という意味に理解 しました。 >> 「部分系に対して熱平衡という概念を適用できる場合がある」と言い直します. では、もう一度お伺いしましょう。岡部さんは > 局所平衡にもなっていないような場合は, 巨視的とは呼べないでしょう. と書かれていましたが、 > で、LTEが保証されないという意味で巨視的でない系には統計力学は適用 > できないとでもおっしゃるのでしょうか。 に対するお答えはどうなりました?ここでLTEが保証されないというのは、 「系全体が非平衡であれば、どんな部分系をとっても熱平衡という概念 を適用できない」という意味です。 >> 牧野さんは, 粗視化は外部環境の影響とは無関係と考えてらっしゃるのですね. 古典系というのはそういうものです。 >> その場合時間を逆に遡っても, エントロピーが増加する事になりませんか? >> その点は, どのように理解されているのでしょうか? もちろん可逆であるとすれば逆に遡ればエントロピーは減りますよ。 >> 前に, 別のスレッドで議論した事がありますが, 私の基本的な考えは, >> 外部環境による作用の不定さと, 特定時刻における状態の不定さは, 同時に任 >> 意に小さくする事ができないというものです. >> それゆえ, 観測時の粗視化だけでは不完全であるというのが私の認識です. 特定時刻における状態の不定さが効くのは量子力学的な場合だけですね。 例えば一つ一つの粒子が10^{30}kg くらいあってもそういうことが影響 するとお考えですか。それともそういう系には統計物理学は適用できな いとお考えですか。 牧野@東大駒場