Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!news.nc.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@grape.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.math,fj.sci.physics Subject: Re: オブジェクト(対象)とメタ Date: 24 Jul 1998 09:16:22 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 41 Message-ID: <6p9jd6$ou0@news.nc.u-tokyo.ac.jp> References: <6ogs2l$jr9@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <6ol7lm$s1u@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <6omglc$7q@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <6oshjl$gfn@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <6ovq04$5uv@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <6p3bct$ruc@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <6p60ep$5j@news.nc.u-tokyo.ac.jp> <35B75AC7.420F6BA3@po.cc.yamaguchi-u.ac.jp> NNTP-Posting-Host: provence.c.u-tokyo.ac.jp X-Newsreader: mnews [version 1.19PL2] 1996-01/26(Fri) Xref: coconuts.jaist fj.sci.math:6305 fj.sci.physics:8266 <35B75AC7.420F6BA3@po.cc.yamaguchi-u.ac.jp>の記事において furukawa@po.cc.yamaguchi-u.ac.jpさんは書きました。 >> > あの、、、上にあらかじめ答えを書いておきましたが。熱力学的な量を >> > 出すのでなければ粗視化が伴わなくてもいいです。 >> > >> >> このことは、このスレッドにおいて、常に牧野さんが主張されていたことで、粗視化 >> とは観測されている体系に何ら影響を与えるようなものではなく、体系の熱力学的な >> 性質は多くの(おそらく現実の全ての)決定論的な方程式によってさえ保証される、 >> と主張されているわけですよね。 ええ、もちろん反例とかはいくらでも作れるとは思いますが、まあ、そ れでも大丈夫な場合というのも結構いろいろあって、それで用が足りる ことが多いであろうと、、、 >> 従って、岡部さんの主張、粗視化は決定論的な運動に影響を与えなければ無意味であ >> る、とは違ったものですね。 はい、岡部さんは粗視化が決定論的な運動に影響を与えなければ系の熱 力学的性質が出てこないと主張されていると思います。ただ、現実の系 では必ず決定論的な運動に影響を与えるような何かがあるのだから、そ ういうものがある場合の話だけをすればいいのであって、そんなのがな いのを考えるというのは物理ではないという主張のようにもとれる時も あるので、ちょっとはっきりしないのですが。 >> 熱力学第二法則は原則としは牧野さんの主張通りでしょうね。シナイの撞球なんかは >> 数少ない証明の例でしょう。しかし、一般にはとても証明は出来ません。 そうですね。まあ、ですから、根拠のない信念であるといわれればそう でないとはいえないとは思います。多体系の直接数値計算にしても、厳 密にいえば非常に短時間しか信用できないというのは岡部さんの指摘さ れた通りですし。 が、数値的な拡散がなければ熱力学的な性質が出てこないという主張は、 それがなくても出てくるという主張と同様に証明されていない。で、ま あ、例えば計算精度の結果への影響の評価とか、短時間の計算での拡散 係数の測定とか、そういったものは数値的拡散がなくても出てくるとい う描像のほうとよりあっているのは確かだと思います。 牧野@東大駒場