Path: jaist-news.jaist!coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!news02.sinfony.ad.jp!Q.T.Honey!quest-news!news.t.u-tokyo.ac.jp!news.nc.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@grape.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.physics Subject: Re: neutron star Date: 23 Dec 1998 00:27:33 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 27 Message-ID: <75pddl$83u@news.nc.u-tokyo.ac.jp> References: <367B8DC3.C98F7F29@din.or.jp> <75lkfs$ho$1@news.kt.rim.or.jp> <367E64D2.20A46F5@din.or.jp> <367FCC1C.71C8C63C@din.or.jp> NNTP-Posting-Host: provence.c.u-tokyo.ac.jp X-Newsreader: mnews [version 1.19PL2] 1996-01/26(Fri) Xref: jaist-news.jaist fj.sci.physics:6696 <367FCC1C.71C8C63C@din.or.jp>の記事において ohshimak@din.or.jpさんは書きました。 >> そうですね。 中性子星の密度は異常に高くてブラック >> ホール寸前ですが、全質量は太陽程度ですからね。 >> まあ、近傍とか遠くとかいうのの程度によりますが、だいたい >> 太陽系くらいの範囲になにかがあって引き寄せられたら >> 終わり、という感じなのかもしれません。ただ、一般相対論 >> は非線形なので、密度が異常に高い場合、解がどうなるか >> ということになると、ちょっとポアソン方程式のような >> わけにはいかないかもしれません。 大雑把にいってシュワルツシルト半径の100ないし1000倍よりも外側では、 一般相対論的効果は無視して構わないです。中性子星の質量に相当する シュワルツシルト半径は 10 km 程度ですから、 1000km くらいですね。 そこまでは、短いタイムスケールではニュートン力学的に振舞うと思っ て良い。(連星系なんかだと、もっと離れていても重力波放出でゆっく り軌道要素が変わったりしますが)従って、もとが放物または双曲軌道 であれば、近付いてもそのまま無限遠に去っていくということになりま す。 もっとも、普通の星というのは太陽くらいで半径が 100万 km とかあり ますから、その数倍程度まで近付くと潮汐変形の方にエネルギーを渡し て中性子星と連星を作る(潮汐捕獲といいます)ことがあります。これ はニュートン力学で済む話ですが。 牧野@東大駒場