Path: jaist-news.jaist!coconuts.jaist!norisuke.jaist!skylark!icspub!odins-toyonaka!odins-alpha!odins-suita!kuee-news!tamaru-news!Q.T.Honey!news.join.ad.jp!newsserver.jvnc.net!newshub.northeast.verio.net!newsfeed.cwix.com!210.170.134.51!newsfeed1.dti.ad.jp!newsfeed2.dti.ad.jp!news-jp-0.abone.net!np0.iij.ad.jp!news.iij.ad.jp!news.nssys.co.jp!shiba From: shiba@nssysgw.nssys.co.jp (Hiroshi Shibayama) Newsgroups: fj.rec.games.video.home Subject: Re: =?ISO-2022-JP?B?GyRCJUolPDojJU4lWSVrN08lPSVVJUgkShsoQg==?= =?ISO-2022-JP?B?GyRCGyhC?= Date: 25 Dec 1998 09:04:05 GMT Organization: Nippon Sogo Systems, Inc.(NSS) Tokyo Lines: 98 Message-ID: <75vke5$cd3$1@pear.nssys.co.jp> References: <7552lk$bgt$3@pin2.tky.plala.or.jp> <75vb2p$2o9$2@pear.nssys.co.jp> NNTP-Posting-Host: banana.nssys.co.jp Mime-Version: 1.0 Content-Type: text/plain; charset=ISO-2022-JP X-Newsreader: mnews [version 1.21] 1997-12/23(Tue) Xref: jaist-news.jaist fj.rec.games.video.home:9753 柴山@NSSです。 あ、ちくしょー。俺が必死になって説明してるのはこういう風にまとめた いからなのにぃ。おいしいところを持っていくんだもんなぁ :D In article onizuka@mpapia.trc.rwcp.or.jp wrote: >これは、小説にせよ映画にせよ、従来型のストーリーテリングでは、どこにも >「鍵」がかかってないからですね。 とりあえず無いことはないですよ、伏線からの意外な展開なんてパターン は作者が開かせるのを前提として鍵を掛けたからの典型的パターンではな いですかね。 この辺は主旨でもないから省略しているだけなのかもしれませんが。 >で、その「鍵のかけ方」が、まさにゲームシステムそのものであって、その方 >法はいろいろ提案されているわけですね。 > >1)ストーリー分岐で、自分の見てない分岐先には鍵がかかる。 >2)ストーリーの迂回によるフラグ立てで、フラグが立ってないと鍵がかかる。 >3)特定のシーンで取得できるアイテムによってのみ開鍵される。 > >などなど。 その鍵こそがシナリオを理解するために必要な鍵。 これが私が書いた「シナリオの為に書かれたシステム」なんですよ。 正確にはシナリオそのものなんだけど、小説の中にもシステムから発想さ れるタイプの小説も多々あって、そのシステムを文章で書き起こすよりも 更に自動化させてしまおうという発想。 読者に「どんな鍵がかかっているのか」をある程度あからさまに見せ付け ることで、読者を引き付けようとする。 少なくともこの時に、「ADVだからフラグを設けて」などと考えるわけ じゃない。それはシステムでシナリオを縛るだけ。 小説をシステム化する。 いうなれば、小説を正確に読み、その意図を忠実にシステム化すること。 これってつまりは「ゲームシステムは小説の批評である」という状態にす ることなんじゃなかろうか。 つまり、「ゲームを解くこと=小説を理解すること」となる。 こりゃぁ面白いじゃないか。 私が書いた「どんな所にもゲームが見つかる」のはここに繋がるんだよね。 ゲームってのはひょっとしたら理解することなんじゃなかろうか。 >まあ、「鍵がかかっている」ことが分かっている以上、鍵を外したい、、 >#「服を着ているから、脱がせたい」ってのと同じか(^^; >見てないところがあるから、まだまだ見たい、、、 > >こういうのは、人間のたぶん基本的な欲求であって、そこに訴えかけるからこ >そ、ゲームは繰り返しプレイしたくなる。 「わからない」のは「恐いこと」だからじゃないですかね。 全てを征服したくなるのは、自分が征服していないところに何があるかわ からないからで、そこに恐怖が生まれる。 その恐怖を次々と克服するから楽しい。 理解できない物は恐ろしい。本当はもっと深い意味があるかもしれないか ら。だから理解して安心したくなるんじゃないかな。 ただし、その「理解できない物」が非常に簡単で陳腐だった場合は、恐く ない。恐くないから理解しても意味が無い。だからつまらない。 シナリオで先が読めたら面白くない理由の一つにはこんなのがあるんじゃ ないかと夢想しています。 逆に恐すぎて逃げ出したくなる場合もある。難解で理解の糸口もないとき。 >結局のところ、ノベル系ゲームにおいて、面白いというのは、 > >1)ストーリー(やシナリオ)そのものが面白い >2)鍵のかけ方が面白い。 >3)ストーリーと鍵のかけ方の両方が相乗効果で面白い。 >4)ストーリーと鍵のかけ方の双方からくる膨らみ(広がり)全体が面白い。 > >という4つの場合に分けられて、1)の場合なら、完全に小説でも映画でも別 >メディアでやったって面白さは損なわれないでしょう。2)の場合は、脚本が >タコでも、楽しめるものがあるはずです。3)あたりがたぶん「痕」や YU-NO >あたりの面白さで、以前電気屋さんがいっていた「メタストーリー」なんて話 >は、4)なんてことではないか。こいつが ONE の面白さだ、ってあたりの話 >じゃなかったっけ。 ONEは未プレイなのでよくわかりませんが、「広がり」という言葉だけ で感じる物事としては、「ゲーム外のゲーム」の存在でしょうか。 ストーリーが終了してもゲームは終わらない。そのストーリーが存在して いたからこそ生まれる発想を楽しむというゲーム。 これがいわゆる「ギャルゲー」で発見された楽しさだと思うのですが。 >もちろん、「鍵のかけ方」は「ゲームシステム」とほとんど同義だと思います。 >ただ、インタフェースやミタメよりはもうちょっと根本的な機構を意味してい >ますけれど。 今までハードウェアの進化に目を奪われ過ぎていて、システムの進化は目 に見える物だという思い込みが一般的に存在した。 ところがそれを打ち壊されたのが最近のノベル系ゲームブームだ、と。 ううむ、ノベル系というと誤解しか生まれそうにないなぁ。 もっと良い言葉はないものかな。 -- -------------------------------------/ /---------------------------- 柴山 "弟の人" 弘 / / shiba@sainet.or.jp / / shiba@nssys.co.jp(NSS) ----------------------------------/ /-------------------------------