Path: galaxy.trc.rwcp.or.jp!titcca!ccut!ascgw!flab!ichikawa From: ichikawa@flab.fujitsu.junet (I.Ichikawa) Newsgroups: fj.mail Subject: About electronic mail in JUNET (In KANJI) Keywords: Junet no tebiki(DOUBLE POST) Message-ID: Date: 28 Jul 87 00:00:00 GMT Reply-To: ichikawa@flab.fujitsu.JUNET (I.Ichikawa) Distribution: fj Lines: 254 Xref: galaxy.trc.rwcp.or.jp fj.mail:96 X-originally-archived-at: http://galaxy.rwcp.or.jp/text/cgi-bin/newsarticle2?ng=fj.mail&nb=96&hd=a X-reformat-date: Mon, 18 Oct 2004 15:18:22 +0900 X-reformat-comment: Tabs were expanded into 4 column tabstops by the Galaxy's archiver. See http://katsu.watanabe.name/ancientfj/galaxy-format.html for more info. 1st version by saitoh@icsts1.handai.junet; Tue May 19 01:44:29 JST 1987 Revised by ichikawa@flab.fujitsu; Jun 23 1987 ------cut here--------------------------------------------------------- JUNETにおける電子メイルの概略 及び使用上の注意 齊藤明紀 大阪大学基礎工学部情報工学科 1. 初めに このドキュメントは電子メイルについて概略と発信にあたっての注 意をを述べる意図で書いたものです.この文書について何か有りました ら,齊藤(saitoh@icsts1.osaka-u.junet)まで,お気軽にメイルをよこ してください.改訂については,その時の手引き担当者が行います. JUNETで提供されるサービスには電子メイルとネットワークニ ュースがあります.どちらもサイトからサイトへバケツリレー式に中継 することによって,伝えられます.JUNETは各サイトのボランティ アによって運営されています.各サイトは,隣接するサイトとの間のメ イル,ニュースのやりとりが円滑に行われるように維持管理作業を行い ます. 2. 電子メイルのアドレス表現 現在,JUNETでは6.2Jというアドレス表記,解釈規則を使 用しています.これは,ドメインという木構造をした概念に基づいたア ドレス表記法です. アドレスは ユーザー名@ドメイン表記 という形式をしています. ユーザー名はユーザーのログインネームです.ドメイン表記はドメイン 名を下位のものからピリオド(.)で区切って並べたものです.一般に は,アドレスの最下位のドメイン名はサイト名です.たとえば, kato@takashi.cs.titech.JUNET とは,JUNET(JUNET)の,東京工 業大学(titcca=Tokyo Institute of TECHnology)の,情報工学科( Computer Science)の,takashiという名前のサイト(計算機)のkatoと いうログネームを持った人,という意味になるような構造があります. ドメイン表記にはネットワークにつながっている全てのサイトにつ いてそこへ至る経路を知らなくてもメイルのやりとりが出来るという利 点があります. 3. サイトとドメイン ここではサイトは一個の計算機という意味で使っています.ドメイ ンはサイトおよびドメインの集まりです.任意の二つのドメインはある 共通部分を持つ(含む包含関係)か,さもなければドメインの木で根以 外には全く共通部分を持ちません. about electronic mail in JUNET 1 about electronic mail in JUNET 2 4. メイルの発信に当たっての注意点 4.1. 宛先アドレスの書き方 後述のように知らないサイト/ドメインに宛てたメイルはドメイン マスターの方へ転送されます.つまり,存在しないドメイン名を書いた (ドメイン名を書き間違った)場合,ドメインマスターまで到達してか ら,配送先不明で差出人に返されることになります.または,なにか問 題が発生して迷子になります.これらはその経路のサイトに無駄な負担 を強いることになるので十分注意して,避けねばなりません. 同じ共通部分を持つ(サブ)ドメイン内での通信では,共通なドメ イン名は省略可能です.例えば, sender@site1.dom2.dom1.junet から user@site2.dom2.dom1.junet へのメイルの宛先は user@site2 で十分で す.しかし,site2を書き間違った場合,JUNETのドメインマスター titccaまで行ってしまいます.これは非常に危険です.冗長ではありま すが,user@site2.dom2あるいは user@site2.dom2.dom1 と書くことによ って, dom1かdom2から外に出て行かないようにすることが出来ます.実 際,user@site というアドレスを書いて,site を書き間違ったために一 度titcca へ行ってからFAILして戻ってくるメイルは多いのです.冗 長でも共通に属するドメイン名まで書くことを徹底するよう留意してく ださい.sender@site1.dom2.dom1.junet から user@site2.dom2.dom1.junet へのメイルは user@site2.dom2, name@site3.dom3.dom1.junet へのメイルは name@site3.dom3.dom1とい う宛名で出すわけです.ただし,ドメイン名そのものを書き間違うと, どうしようもないので十分注意して下さい. 強調させて頂きます. メイルは正常に配送される分には人間の手を煩わさずに宛先に届きます. しかし,FAILした場合には,FAILしたサイトから差出人の居る サイトまでの経路の全てのサイトのポストマスター(ここで言っている のはメイルの管理を行っている人間)の手を煩わすことになります. ・ 宛先のアドレスを書き間違わないように ・ 書き間違っても,迷惑をかける範囲が少しでも少なくて済むように 十分注意してください. 三月初めの 篠田( shinoda@cs.titech.junet )さんの記事を引用さ せていただきます. 今日はpostmaster@junetから,「ちょっとした事 に気をつければ円滑にメッセージのやりとりができるんだよ」っていう アドバイスです. ・ 宛先アドレスを確認する. ユーザIDについては,下で注意があります.ここでいう「アドレ ス」とは,主にドメイン名・サブドメイン名です.綴り間違いが無 いか良く確認すること. 思い込みは間違いのもとです.手でアドレスを打ち込む時は,記憶 に頼らずメモを見ながら... News Version B 2.11 May 16, 1987 about electronic mail in JUNET 3 ・ 相手のユーザIDを10回確認する. せっかく目的のサイトまでたどりついたのに,'unknown user' で はねられるのは,大抵このケースです. 返信の場合などは割と問題がありませんが,手でアドレスを打ち込 む場合は,思わぬタイプミスをしている時があります. 特に,東京大学の計算機センターのユーザに出す場合は注意して下 さい.(数桁の数字が続きますから:−)) 相手から,「このアドレスに返事してね」という一行がある場合で も,From:フィールドのユーザIDと比べて,どうもスペルミ ス臭いとかいう場合に注意すること. ・ 自分のアドレスを他人に教える場合は,その人からそのアドレスで きちんと届くかどうかを100万回考えてから教える. 特にサブドメイン形式を採っているドメインの方,気をつけてくだ さい. 名刺などに刷り込む場合は,100億回考えてから印刷を職業とす る人に出す.実績のあるアドレスを,できればハードコピーから切 り抜いて印刷原稿に用いるのが望ましい.(それでも,間違った植 字をされる場合があるので,刷り上がってからまじまじと見つめて, 正しいことを確認する.) ・ 初めてメッセージを送る人をCc:フィールド(又は,複数受取人 の1人)に指定しない. 実績の無いアドレスをCc:フィールドに指定して,配送に失敗し た場合,誰に届かなかったのかが判らなくなって,非常に困る場合 があります. 4.2. メイルの大きさ メイルで,データやソースプログラムを送ることがあります.この 場合,一つのメイルの大きさに注意せねばなりません.電話線の伝送路 としての品質は必ずしもよくありません.エラーが起きた場合,何回か エラーの起きたレコードを再送しますが,それでもだめなばあいは,エ ラーとして通信を中断し,次回の通信時にファイル全体を再送します. つまり,一つのメイルの大きさが大きいほど,転送に失敗して全体を再 送する確率が大きくなります.メイルの中継をしてくれるサイトに,無 駄な電話料金の負担をかけないために,大きなファイルを送るときは小 さく分割して送りましょう.目安としては,モデムを介さずに送れるの なら,50−100KB,モデムを介していても,近くなら,30−5 0KB,もっと遠くなら10〜20Kバイトくらいに分割して送りまし ょう.ただし,ファイルの総量が数100Kバイトを超えるような場合 にはフロッピーディスクを郵送するほうが本当は良いのです.もしも, 1Mバイトを超えるのだったら絶対にMTかストリーマーテープにいれ て送りましょう.2400ボーで接続していても,実質転送速度は10 Kバイト/分もないと思ってください.1Mバイトのファイルを送ると いうことは100分間電話をかけるということです.東京−大阪間で1 00分間電話をかけたらどれだけ中継してくれているサイトの負担にな るか想像して下さい.(組織内での場合はこの限りではありません.) 5. メイルの届くメカニズム  ドメイン,サブドメインにはそれぞれドメインマスター,サブドメ インマスターが存在します.(ドメインマスターと言った場合,ドメイ ンマスターをつとめるサイトを指す場合と,ドメインマスターサイトの News Version B 2.11 May 16, 1987 about electronic mail in JUNET 4 管理者である人間を指す場合が有りますが,ここではドメインマスター マシンの意味です)ドメインマスターは,そのドメインの全てのサブド メインのドメインマスターサイトとそこへ至る経路を知っています.そ して,サブドメインの内部には関知しません.(サブドメインマスター はそれが管理する全てのサブサブドメインを知っています.そして,同 様にサブサブドメインの内部には関知しません.さらに下位のドメイン が存在する場合も同様に続きます.) メイルの伝達経路はドメインマスターを根とする木構造状になります. この木の頂点はサブドメインマスターサイトであり,枝はサイト間の通 信路にあたります.この木の任意の頂点のサブドメインマスターは自分 以下の部分木の全てのサブドメインについてそのドメイン名と,そのサ ブドメインがどの隣接するサイトの先にあるかを知っています.そして ドメインマスターがどのサイトの先にあるかも知っています.知ってい るドメイン宛のメイルはそのドメインの存在する方向へ,知らないドメ イン名宛のメイルはドメインマスターへの方向に当たるサイトへ配送さ れます. 目的とするサブドメインに到着すると,同様な手順で目的とするサブサ ブドメインへ配送されます.以下同様にして,最下位のドメイン(つま りサイト)に配送され,宛先のユーザに渡されます. 互いに知らない(データベースに登録されていない)サイトどうしのメ イルのやり取りはここに書いたとうりです.しかし,JUNETのサイ ト間の結合は網状であり,”知っている”ドメインへのメイルはドメイ ンマスターを根とする木の枝以外の最適な経路を用いて配送されること があります. 6. 関連項目 村井 他,JUNETのアドレス指定について 竹内章平,メイル機能 bit臨時増刊1987 5,最新UNIX VI章2 p2740280 BUGS 配送と転送が明確に区別されていない.この文書を次に書き換える ときには統一あるいは明確に区別したい.   勝手に市川が数箇所変更をしているため,統一性がとれていない. また,上記については,書き直していないし,気にしなかった.(ichikawa) News Version B 2.11 May 16, 1987