Path: sokai!inet-gw!cae-gw!ntt-twins!nttlab!titcca!wnoc-tyo-news!ccut!komaba!graco!makino From: makino@graco.c.u-tokyo.ac.jp (Junichiro Makino) Newsgroups: fj.sci.misc Subject: Re: Super Dynamics by Thomas Kern (In Japanese) Message-ID: Date: 24 Mar 91 14:29:57 GMT References: <298@some1.mech.osaka-u.ac.jp> Sender: news@graco.c.u-tokyo.ac.jp Distribution: fj Organization: Coll. Arts & Sci., University of Tokyo, Japan. Lines: 36 In-reply-to: nakatani@some1.mech.osaka-u.ac.jp's message of 22 Mar 91 12:10:40 GMT 東大駒場の牧野です。銀河とかをN体で計算するのが専門です。 In article <298@some1.mech.osaka-u.ac.jp> nakatani@some1.mech.osaka-u.ac.jp (Nakatani Akihiro) writes: > 中谷@機械工.阪大です. > > エド・レジス著,大貫昌子訳『アインシュタインの部屋・下』(工作舎) > の「7章:泡の宇宙にわく」で紹介されている,ジェームズ・ビニーと > いう人が行なった銀河のシミュレーションの方法について詳しく教えて > 下さい. > > なんでも,量子力学からヒントを得た方法で, > 星の配置を位置とか速度とかいうナイーブな座標で表すのではなく, > 「アクション」という座標を基にして表すとのことです. > そして,この方法によると,莫大な時間がかかる多体問題が, > 普通の計算経費の何分の一かで,しかも正確に解けるそうです. > 星団の運動の計算が,普通の経費の1/500でできたと書かれています. > > この方法は,同じような多体問題を解く分子動力学シミュレーション > などにも適用できるのでしょうか? えっと、僕の知っている限りでは作用積分を使うのはいわゆるN体 問題をフルに解くわけじゃなくって、軌道の安定性とかを解析する のに使ってたと思います。このころにバーンズ、ハットあたりがN 体でやってた特定の問題に対してはそういう手法が有効だったよう です。彼らはN体を使ってある種の系が安定かどうか調べるという (結構野蛮な)仕事をしていたはずです。 MDではシミュレーションの目的がまったく違うので、たぶん使え ないと思います。 牧野淳一郎 東京大学教養学部 情報図学教室