Xref: jaist-news fj.sci.physics:1478 fj.comp.arch:154 Path: jaist-news!cs.titech!nirvana.cs.titech!wnoc-tyo-news!news.u-tokyo.ac.jp!news.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@grape.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.physics,fj.comp.arch Subject: Re: Physics and Parallel Computer (Re: Crisis in physics research ) Date: 11 Jan 94 22:19:49 Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 45 Message-ID: References: <1994Jan11.102628.20886@nntp.csl.sony.co.jp> NNTP-Posting-Host: grape.c.u-tokyo.ac.jp In-reply-to: kono@csl.sony.co.jp's message of Tue, 11 Jan 1994 10:26:28 GMT In article <1994Jan11.102628.20886@nntp.csl.sony.co.jp> kono@csl.sony.co.jp (Shinji Kono) writes: >In article , > makino@grape.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) writes >>1987年の冬に、Thinking Machines の Danny Hillis と「天文むけの専用計算 >>機をどう思うか」という議論をした、というと偉そうですが、実際はプリンス >>トン高等研究所の Piet Hut と Hillis が議論してるのを横で聞いてたことが >>あります。Hillis はもちろん、「そんなことをするより CM を買った方がい >>いよ」という意見でした。その根拠は、以下のようなものでした。 >> >> 汎用並列計算機のハードウェアコストの大半はメモリチップのコストである。 >> 必要なメモリ量は計算サイズで決まり、専用計算機を作っても減らない、つ >> まり、専用計算機はそんなに安くできない。 >Computerの能力は一般的には、Clock, Computation, Network, Memory で決まる >のにMemoryだけで議論するんですか? 確かに汎用計算ならMemoryは台数の2乗に >に比例する量がいるというのはあるけど、専用計算機にそれを仮定するのは最初 >からやぶれさっているようなものだ。 Hillis の頭にあったのは、流体とかの偏微分方程式の計算だったと思います。 こういうのでは計算速度とメモリ量は結構比例に近いようです。例えば 100x100x100の計算に比べて1000x1000x1000だったらメモリは千倍いりますね。 で、計算量は例えば一万倍とかそんなもんではないかと。つまりベキ指数がこ の場合なら4/3で、1からそんなに遠くはない。 で、こういう計算では多くの場合現在のスーパーコンピュータ/並列計算機で は計算サイズが計算速度よりもむしろメモリサイズできまってしまうというの が現状なわけです。(もちろんCPUタイムが10時間しかとれないとかいうとま た話が違いますが)そうすると、専用計算機をつくって速くしてもたくさんメ モリをつけないといけないことに変わりはないので、結構そんなに得にならな くなると、まあ、こういう議論ですね。 (元の話が計算物理なので、画像処理とかの話はカット) >ベクトルマシンみたいな高速で高いメモリを要求するものより並列計算機にした >方が安いメモリを使えるというメリットもあると思うんだけどな。 ベクトルマシンでもクレイはDRAMを使って巨大なメインメモリをつけた機種も 出してますね。Cray-2は確かもともとそうでしたが、YMPの系列でもでてたと 思います。日本の機械の場合でも普通はDRAM を使った拡張記憶がつくので、 そこにデータをおけるなら「高いメモリを使っている」ということは実際上な いと思います。 牧野@東大駒場