Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!news.u-tokyo.ac.jp!news.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@chianti.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.astro Subject: Re: Stability of Solar system Date: 19 Sep 1994 03:58:27 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 26 Message-ID: References: <35hmkh$efl@nameserv.sys.hokudai.ac.jp> NNTP-Posting-Host: chianti.c.u-tokyo.ac.jp In-reply-to: hiroshi@cgate.hipecs.hokudai.ac.jp's message of 18 Sep 1994 15:33:37 GMT 牧野@東大駒場です In article <35hmkh$efl@nameserv.sys.hokudai.ac.jp> hiroshi@cgate.hipecs.hokudai.ac.jp (Hiroshi) writes: > 昔の天体力学では天文学者が太陽系の安定性を証明することに > 情熱を注いだという記述があったのですが,それは成功したのでしょうか? > H.M> > 外部から何かがぶつかりこんで来ない限り、今の太陽と惑星が将来に > 渡って衝突したり、どれかが遠くに飛んでいっていなくなったり > しないですよね。(もっとも、太陽系の定義があやふやだから > ハレー彗星みたいな物はどうなるんだと言われたら困る。) 最近の長時間積分の計算では、例えば冥王星の軌道が不安定である(リアプノ フ指数が正という意味で)のは「ほぼ」確かなようです。これは多分 MIT の Wisdom, Sussman などによって 1987 ころに最初にいわれたことだったと思い ます。国立天文台の中井さん、木下さんをはじめ、世界中のいくつかのグルー プが同様な結果をえているようです。 ただし、同時にわかっていることは、だからといって例えば50億年くらい数 値積分しても冥王星がどっかにいってしまうわけではないということです。 というわけで、「成功した」というかどうかはよくわからないですね。 牧野@東大駒場