Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!etl.go.jp!trc.rwcp!rwc-tyo!news.iij.ad.jp!news.mri.co.jp!marrella.mri.co.jp!kiyokawa-jhs!news.ipc.chiba-u!eclnews!sinetnews!newssinet!news.u-tokyo.ac.jp!news.nc.u-tokyo.ac.jp!komaba!makino From: makino@chianti.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.education Subject: Re: Quality of a university (Re: [pseudo]) Date: 03 Aug 1995 13:30:14 GMT Organization: Dept. of Earth Science & Astronomy, College of Arts & Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 83 Distribution: fj Message-ID: References: <3u7n2q$vm@tmitns.tmit.ac.jp> NNTP-Posting-Host: tache.c.u-tokyo.ac.jp In-reply-to: kikuchi@phys.sci.osaka-u.ac.jp's message of 3 Aug 95 07:02:04 GMT >>>>> On 3 Aug 95 07:02:04 GMT, kikuchi@phys.sci.osaka-u.ac.jp (Kikuchi Macoto) said: > 菊池@阪大です > の記事において > makino@chianti.c.u-tokyo.ac.jpさんは書きました。 >>> >>>>> On 2 Aug 95 09:44:01 GMT, kikuchi@phys.sci.osaka-u.ac.jp >>> (Kikuchi Macoto) said: > 依然として誤解されているようなので続けます。 > 私はこれまで根拠をかなり丁寧に説明してきたつもりです。 > ただ、牧野さんと一致を見ない点が、最終的に「科学を勉強したくて疑似科学書を > 手にとる人数と哲学書を手にとる人数のどちらが多いか」というところに達してし > まったので、本当に定量的な議論を求めておられるなら私はデータを持ち合わせて > いない、と言ったまでです。 > 私は疑似科学書を手に取る可能性のほうが高いと思っていますが、こんなの、定量 > 的に議論したってしょうがないし、どうしても白黒つけたいとまでは思いません。 > 「消耗だ」と書いたのはそういう意味です。 > #白黒ではなくて、どっちの黒がより黒いか? > それとも、牧野さんはこの件について私以上になにかご存じなのでしょうか。それ > でしたら、御教えいただければ、私は自分の意見を正すにやぶさかではありません > が。 > #そうでないのでしたら、上の書かれかたは議論のしかたとしておかしいと思いま > #すよ。私だけが、なんの根拠もなく話しているかのように読めますが、そういう > #話なのでしたっけ? 違うのじゃないかなあ。たしか、牧野さんが、「哲学書のほ > #うがたちが悪い」という趣旨ではじめられた議論じゃなかったっけ? それにつ > #いて私以上の根拠を示していただいた覚えはないんですが。 もともと、菊地さんが、疑似科学的な本が「理工学書」として出版され るほうが、「哲学書」として出版されるよりも害が多いという前提で話 をされていたので、どういう根拠があってそう思われたのかお聞きした かっただけなのですが、、、 菊地さんの主張は、 a)科学を学ぼうとする人ならば、「科学書」を読むはずである。 b)従って、「科学書」ではないものが科学的に間違っていても、そんな ものから科学を学ぼうとするひとはたくさんはいないので「科学書」に みえるものが間違っているのに比べれば大きな問題ではない。 ということでいいんですよね。 つまり、 c) 「科学を学ぼうとする人が間違った知識を得ること」だけをとりあえ ず問題にしているわけで、それ以外は「別の問題」であってここでは議 論したくない。 とおっしゃられていることになります。 私は、上のような菊地さんの議論には以下の2つの問題があると思ってい ます。 1) (a) が正しいかどうかよくわからない。 2) (c) の意味が明確ではない。 以下もう少し書きます。 まず、(1) については、哲学書から現代の科学がどんなものかを学ぼう とする人は少なくはないとは思いますが、私も別に実験データをもって いるわけではないのでちょっと置いておくことにします。 つぎに(2)についてですが、菊地さんは、「科学を学ぼうとしているわ けでは別にない人」に科学に関する間違った知識やイメージが広がるこ とは問題ではないとお考えでしょうか?もちろんそうお考えであればそ れはそれなりにコンシステントな主張だと思います。しかし、問題では あるが今菊地さんが議論したくないというだけなら、菊地さんの議論は 「理学書の方が哲学書よりも問題である」根拠にはならないような気が します。 科学に関する間違った知識を広げようと思えば、思想書なり哲学書のほ うがより安全だし、効果的でさえあるかもしれません。「理学書」とし て出すと、まっとうな科学者がたまたま目にして、「何だこれは」と思っ て批判することもあるかもしれませんが、「思想書」としておけばそも そも大抵の科学者はそんなのは関係ないと思って読みもしないでしょう から、批判を受ける確率をずっと小さくできますから。 牧野@東大駒場