Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!spinnews!spin-hsd0-tky!news-relay.yhp!yan.hp.com!hpujjpo!hpscit.sc.hp.com!sdd.hp.com!swrinde!howland.reston.ans.net!news.sprintlink.net!news.gdbnet.ad.jp!sinetnews!newssinet!news.u-tokyo.ac.jp!komaba!makino From: makino@chianti.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.books Subject: Re: Quality of a university (Re: [pseudo]) Date: 11 Jul 1995 01:44:51 GMT Organization: Dept. of Earth Science & Astronomy, College of Arts & Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 59 Message-ID: References: <3tqh59$1un@tmitns.tmit.ac.jp> NNTP-Posting-Host: tache.c.u-tokyo.ac.jp In-reply-to: oshikawa@mmm.t.u-tokyo.ac.jp's message of 10 Jul 1995 12:40:12 GMT >>>>> On 10 Jul 1995 12:40:12 GMT, oshikawa@mmm.t.u-tokyo.ac.jp (Masaki OSHIKAWA) said: > 名誉、といって悪ければ 大学の質、あるいは良さ とお考え下さい。 だから、大学の名誉でも質でもなんでもいいけど、そういうのは「どれ だけ優れた研究者がいるか」であって、その大学の研究者の平均の質と かではない、少なくともその大学の中にいる研究者の最低値がその大学 の質をきめるわけじゃないという考え方もあっていいのでは? 押川さんの考え方は、大学の質を決めるのはその大学の研究者すべての 出来の総和みたいなものだっていう感じですよね?でも、そこそこ出来 のいい人ばっかりのところと、すごく偉い人もいればどうしようもない 人もいるところとではどちらがいいかは一概にはいえないし、すごく偉 い人にいてもらうためにはどうしようもないひとも許容するという考え 方もあるわけですよ。 > 今回問題にしているのは ある意味で学問上のルール違反 なわけ > です。すなわち、学問の社会の中で自説を発表するのは自由ですが、 > それで相手にしてもらえないからと言って、啓蒙書の形で一般の人に > ”物理学者は既存の理論を鵜呑みにして独創性のある人を迫害している” > などと言い出すのはルール違反だと思います。 押川さんの考え方の中では「物理の常識」=「科学の常識」=「学問の 常識」なのでしょうか?哲学を含む人文科学の分野では、研究成果を学 会発表なんかしないでいきなり著書の形で世に問うというのは普通のこ とだと思うのですが。「あれは物理学(の対象)、あるいは物理理論を 扱っているのだから物理の常識に従え」とおっしゃっているのであれば それはそれで構いませんが、なんだか「うちのシマを荒すな」といって る暴力団みたいですね。 > そして、大学と言うのは教育機関であり研究機関です。 > その大学の質は、教育や研究の質で問われるべきでしょう。 > もちろん、トンデモ本を出す人が一人いるからと言ってその大学が全部ダメ > と言っているわけではありませんが、各スタッフの教育内容および > 研究内容の総計によって大学の内容が決まるのではないでしょうか。 いや、だから、総計じゃなくって例えば最大値とかそういうもののほう が大事だと思う人はいるでしょう。すべての人が押川さんと同じ基準で ものごとを考えるわけじゃないと思います。 > もちろん、学問の特性として、学問の自由 というものがあって、 > 特権として大学のスタッフは研究および発表を個人の責任で自由に > 行えるわけです。もちろん僕もそれは尊重したい。 > だからと言って、啓蒙書にデタラメを書いてしかも世間に”理解” > されそうなデマを垂れ流すのは ルール違反だし、やめて欲しい。 あんなのが啓蒙書とは思えませんが、それはそれとして押川さんが「や めて欲しい」と思うんだったら自分で本を書いた人に言えばいいのであっ て、その人と同じ大学の人に「あなたも無関係じゃない」みたいなこと をいうのは筋違いではないでしょうか。 > それは学問の自由を履き違えた行為だと思います。 「学問の自由を履き違えた行為」なんていうのは、嘘とわかっていて本 なり論文なりを書いた時に使える言葉で、本人が自分が正しいと信じて いるんならそんなことをいってもしょうがないと思います。 牧野@東大駒場