Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!wnoc-sfc-news!venus.sun.com!cs.utexas.edu!news.sprintlink.net!news.gdbnet.ad.jp!sinetnews!newssinet!news.u-tokyo.ac.jp!komaba!makino From: makino@komaba.c.u-tokyo.ac.jp (J. Makino) Newsgroups: fj.sci.misc Subject: Re: Selfish gene [Re: Sarin, etc.] Date: 31 May 1995 15:43:27 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 49 Message-ID: References: <3nq4ki$7dl@adam.dsp.cl.nec.co.jp> <3p9r0j$2qj@adam.dsp.cl.nec.co.jp> <3pe881$3o2@adam.dsp.cl.nec.co.jp> <3psbnu$74f@adam.dsp.cl.nec.co.jp> <3q14bm$qai@adam.dsp.cl.nec.co.jp> <3q3e7a$4mg@adam.dsp.cl.nec.co.jp> <3qe4ie$7gr@adam.dsp.cl.nec.co.jp> <95151.142259A910741@ibm3090.comp.metro-u.ac.jp> NNTP-Posting-Host: xss01.komaba.ecc.u-tokyo.ac.jp In-reply-to: 's message of Wed, 31 May 1995 05:22:59 GMT In article <95151.142259A910741@ibm3090.comp.metro-u.ac.jp> writes: >> In article , >> makino@komaba.c.u-tokyo.ac.jp (J. Makino) says: >> >>> また、遺伝子型間の効果は、特殊な超優性の場合を除けば、必ず相加 >> >>> 的成分を含んでいますから、集団中に遺伝的変異が存在するかぎり、 >> >>> 相加的遺伝分散がゼロというケースはほとんど見られません。 >> >> というわけで、ある遺伝子に非相加的効果があるとしてもその同じ遺伝 >> 子によほど特殊な場合以外は相加的効果もあるので、自然選択は大抵起 >> きるだろうというふうに理解していいのだと思います。(そういうこと >> でいいのでしょうか>布山さん) >> 言いにくいですけど、そうではありません。相加的遺伝分散があるから >> 自然選択が起こるわけではありません。問題とする形質の表現型値によ >> って適応度に差が見られる場合、この形質に相加的遺伝分散が存在すれ >> ば、集団平均は適応度が高くなる方向に変化する、ということです。 >> 相加的遺伝分散がいかに大きくても、適応度に影響しない場合、自然選 >> 択は働かないことになります 丁寧な御説明をいただき、ありがとうございます。おっしゃる通りです ね。「適応度の差があれば」というのが落ちてました。(というか、差 がある場合のことだけを考えてました) >> 例えば、ヒトの骨の形などは、きわめて高い遺伝率(相加的遺伝分散の >> 割合)が知られており、顔の形などの、親子間の似通いはこれが大きな >> 原因と考えられていますが、顔かたちにはあまり強い方向性の選択がか >> かっていないことの証拠とみなせます。 遺伝率を実験的に決める手続きが良くわからないので、よろしければ質 問させて下さい(聞いてばかりですみません)。ある表現形値の遺伝分 散を相加的なものと非相加的なものにわけるためには、その表現形値と 遺伝子型値の間の関係は線形っていうか、一次式であらわされる必要が あるんですよね?モデルとしては表現形値の尺度は任意ということでし たが、実験的に分散を決めるときにはおそらく測定値をそのまま使うの ではと想像するのですが、この想像は間違っていますでしょうか。 もし私の想像が正しいとすると、データからもとまった非相加的遺伝分 散には、非線形な相加的効果も入ってしまうような気がします。実際上 はそうなっていたとしても求まった非相加的遺伝分散が相加的遺伝分散 にくらべて大きくなければ大した問題はない(求まった相加的遺伝分散 の誤差が大きくないという意味で)と思うのですが。 #素人の誤解かとも思うのですが、どうもよくわからないので。 牧野@東大駒場