Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!news.imnet.ad.jp!ripspost.aist.go.jp!news.tisn.ad.jp!is.s.u-tokyo!mech.t.u-tokyo.ac.jp!t-server!news.nc.u-tokyo.ac.jp!komaba!makino From: makino@chianti.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.comp.arch Subject: Re: Effect of out-of-order execution (Re:How many ports do registers have? Date: 12 Sep 1995 06:31:10 GMT Organization: Dept. of Earth Science & Astronomy, College of Arts & Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 80 Distribution: fj Message-ID: References: NNTP-Posting-Host: tache.c.u-tokyo.ac.jp In-reply-to: yamazaki@ga16.ed4.com1.fc.nec.co.jp's message of Mon, 11 Sep 1995 02:58:46 GMT >>>>> On Mon, 11 Sep 1995 02:58:46 GMT, yamazaki@ga16.ed4.com1.fc.nec.co.jp said: >>> 「共有メモリか分散メモリか」というよりは「MIMDかSIMDか」の話と言った方 >>> がより適切ですね。 >> >> これは、「分散メモリでも SIMDならMIMDのように性能が出ないようなこ >> とはないはずだ」という主張なのでしょうか?字面からはそうとしかと >> れないのですが、おっしゃりたかったことはなんか違うような気がする >> ので、もう少し詳しく御説明いただければさいわいです。 > ところで私は「分散メモリ」を前提とした主張を一切行なっていないのですが、 > 「字面からはそうとしかとれない」とお考えになったのは何故でしょうか? 山崎さんの主張は、「共有メモリか分散メモリか」で実効性能が決まる のではなく、「MIMDかSIMDか」で実効性能が決まるというものかと思っ たのですが、そうではないのでしょうか。 そうであるとすれば、「共有メモリか分散メモリか」は性能にあまり影 響しないから、「分散メモリでも SIMDならMIMDのように性能が出ないよ うなことはないはずだ」となるのではないかと思ったのです。 そうでないとすると、MIMD+分散メモリの普通のMPPと、SIMD+MIMD+共有 メモリのベクタプロセッサを比べて後者のほうが性能がでる理由がSIMD であることであるとお考えになる理由が私にはよくわからないので、で きれば御説明いただければと思います。 > もう一度、整理しておきます。 > 同じ数、同じ性能の演算器を用いるなら、安価なプロセッサをMIMD的に結合す > るより、複数の演算器をSIMD的に結合して単一のベクタプロセッサを構成した > 方が、今のところ多くのアプリケーションにおいて高い性能が得られる。 > その結果、安価なプロセッサを多数結合してスーパーコンピュータでしか出来 > なかった計算を処理できる手段を低コストで提供する、というコンセプトに基 > づいて作られた計算機はスーパーコンピュータをおびやかすに至っていない。 > ただし、単独のスカラプロセッサで十分な性能が得られるアプリケーションに > ついては、EWSはコストパフォーマンスの高い解を与えている。 > 以上 これが山崎さんの主張であることはよくわかりました。 >>> しかしながら現状では、MPPはスーパーコンピュータのマーケットにさほど食 >>> い込む事が出来ていません >> >> あ、そうなんですか。 SP-2 あたりはずいぶん売れたのかと思ってまし >> たが、そうでもないんでしょうか。 Paragon も 1994年で 23,000 ノー >> ド(数え方にもよりますが一応 1.7 Tflops 分ということになりますね) >> 出荷したそうです。(まあどんな値段でかは知りませんが)名目ピーク >> 性能で比べれば(あまり意味がないのは認めますが)Cray Research が >> 出荷したより多いようですね。 > ParagonとT3Dの比較でしたら、「あまり意味が無い」というご意見に同意しま > す。 Paragon と T3D ではなく、 Paragon と Cray Research が出荷したもの すべての合計との比較です。MPP同士で比べても意味がないかと思います。 > ところであまり意味が無いとわかってらっしゃっいながらわざわざお書きになっ > たのにはなにかお考えがあっての事と思いますが、御説明願えますか? まったく意味がないわけでもないと思うからです。とりあえず名目ピー クで上回っていて、金額でも結構なものと想像される MPP が「スーパー コンピュータをおびやかすに至っていない」というのはどうでしょうか。 最近アナウンスがあったところでは、 DOE/Sandia Lab は P6 9000台と かいう機械を 4600万 ドルで発注したそうなので、 Paragon のPE一台あ たりの値段はそんなものかもうちょっと高いあたりと思われます。すな わち、1994年の Intel SSD の売上は1.5-3億ドル程度と想像されます。 これに対し Cray Research の年商は 10億ドル程度ですから、 Intel SSD 1社で結構大きな額になっていると思いますが、いかがでしょう。 できれば、「失望感が広がっている」というような感覚的な意見ではな い、「スーパーコンピュータをおびやかすに至っていない」と山崎さん が判断される根拠を示していただければと思います。山崎さんの主張は 良くわかったのですが、その根拠が私にはよくわからないので。 牧野@東大駒場