Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!etlnews.etl.go.jp!etlinn.etl.go.jp!etl.go.jp!trc.rwcp!rwc-tyo!news.iij.ad.jp!news.sun.co.jp!sunj-gate.Japan.Sun.COM!news2me.EBay.Sun.COM!venus.sun.com!cs.utexas.edu!howland.erols.net!newsfeed.internetmci.com!hookup!news.join.ad.jp!sinetnews!news.nacsis.ac.jp!alps!cryst!escargot!t-server!news.nc.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@chianti.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.philosophy Subject: Re: The world is a screen Date: 23 Aug 1996 12:07:47 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 74 Message-ID: References: NNTP-Posting-Host: muscat.c.u-tokyo.ac.jp In-reply-to: "=?ISO-2022-JP?B?GyRCT0FKOCEhQ041MxsoQg==?= " 's message of 20 Aug 1996 03:43:00 +0900 >>>>> On 20 Aug 1996 03:43:00 +0900, "=?ISO-2022-JP?B?GyRCT0FKOCEhQ041MxsoQg==?= " said: > お久し振りです!牧野さん。今は日本からですか? 前のポストはまだオランダからでしたが、帰って来ました。 > また宜しくお願いします! こちらこそ、よろしくお願いします。 >> もちろん、それぞれの科学者が自分なりの「言ってる通り」の規準をもっ >> てそれなりの判断をするという意味では、現実的な選択ということにな >> るのかもしれませんが、、、しどりさんはどちらかというとこちらの意 >> 味でいわれているのでしょうか。この場合、現実的ではあるかもしれま >> せんが妥当かどうかはさだかではないですね。 > おおむね牧野さんのおっしゃる通りの意図での発言でした。「妥当」とい > うよりも、「有効」と言った方がよかったですね。また、この規準が適用 > できると、僕が考えている命題は、「それぞれの科学者の自分なりの「言っ > てる通り」の規準」の最大公約数的部分でなんとか出来る命題です。パラ > ダイム内部で処理できる命題ですね。 うーん、確かに、最大公約数的な規準がある場面というのは存在して、 例えば下にお書きになっている学生実験というのはまさにそういうもの に当たるわけです。ただし、これはもちろん、そういう学生教育を受け て専門家になった人しか「正しく」使えない規準なわけですね。 したがって、例えば僕なりしどりさんなりが、出版された論文から、ま あ、例えばの話 cold fusion が正しいかどうかを判定できるかというと、 これはなかなか疑問ではないかと思います。 > ただ、ある命題がこの規準で判断して、却下されてしまったとしても、そ > の命題に対して、「それは科学じゃない」なんて発言するのはいただけな > いですよね。今の科学で否定できる命題は、当然今の科学の内部の命題な > のだから、「科学じゃない」わけないのですから。 現実の話として、実験がうまく再現できないというだけの理由である主 張が却下されたということが本当にあるのかどうかというのは、なかな か難しいのではないですか? > #それから、「統計的に無視できない」は、「みんながどうもできないら > しい」を、格好付けて言い換えたものです(^^;)。 これはだいぶ現実に近いのですが、依然として「みんな」というのは誰 かっていうことが問題で、多くの場合「自分が信用するみんな」だった りします。 もちろん、理論としては、ちゃんとしたことをいう人は信用できるし、 そうでない人は信用できないわけだから、「信用できるかどうか」につ いての「最大公約数」的な規準があってもいいということにはなります。 ところが、人によっては単に自分の信じることと consistent であると 解釈できる実験は信用し、そうでないのは信用しないということになっ たりしますから、、、で、このこと(自分の信じることとあっているか どうか)を、少なくとも判断規準の一部として使うというのが、研究者 として間違った態度かというと、それは必ずしもそうではないのではな いかと思います。やはり、優れた研究者というのは普通「信念」をもっ て研究を続けるもののように見えるので。 > #どうも、僕は実験をやらないものなので、現実とはずれがちですね。最 > 近、「常温核融合」がらみの本を読んでいるのですが、「言ってる通り」 > に実験することがどんなに困難なのかに気づいてちょっとびっくりしてい > るところです。思い出してみれば、原子核乾板(だったっけ)の実験で、 > まともなデータが出てこないで9時10時まで残ったりしたんですからね。 > 簡単に、「中性子が検出できた」なんて書くけど、実際に検出するのは大 > 変です。なにをもって「検出」なのかがまた、理論負荷的だったりします。 まだ学生実験の場合は、「正しい答え」を知っているので、そこにたど りつける(ことが多い)のですが、「これが正しい」と確信できない場 合には、、、 牧野@東大駒場