Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!wnoc-sfc-news!news.hawaii.edu!munnari.OZ.AU!news.mel.connect.com.au!harbinger.cc.monash.edu.au!news.cs.su.oz.au!inferno.mpx.com.au!news.mel.aone.net.au!imci4!newsfeed.internetmci.com!news.dacom.co.kr!usenet.seri.re.kr!news.imnet.ad.jp!news.join.ad.jp!sinetnews!eclnews!news.ipc.chiba-u!news.tj.chiba-u!train.ad.jp!news.tosho-u.ac.jp!news.n.tosho-u.ac.jp!news.nakl.t.u-tokyo.ac.jp!t-server!news.nc.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@chianti.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.math Subject: Re: Runge-Kutta vs Symplectic Date: 19 Feb 1996 13:32:03 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 56 Message-ID: References: <4g1qm1$qv4@panther.asahi-net.or.jp> <4g9ml1$j73@kudpc.kudpc.kyoto-u.ac.jp> NNTP-Posting-Host: muscat.c.u-tokyo.ac.jp In-reply-to: a50348@sakura.kudpc.kyoto-u.ac.jp's message of 19 Feb 1996 11:24:17 GMT >>>>> On 19 Feb 1996 11:24:17 GMT, a50348@sakura.kudpc.kyoto-u.ac.jp (masayoshi kiguchi) said: > 木口 @ 近畿大 です。 > シンプレクティック法について牧野さんが答えられていたので、まったく知ら > ない話にたいする素朴な疑問が湧いてきたのだけれど: > シンプレクティック法ってのは正準形式: $\omega = \sum_{i=1}^n dp_i > \wedge dq_i$, にたいしてリュービルの定理: $\omega^n$ が不変, を保証す > る差分法ですよね。ここで既に誤解しているのかな。 えっと、いいように思いますが、、、要するに「正準変換である」とい うことですね。 > で、$n=1$ の場合はそれ > ほど苦労なく、そのようなスキームは見つかりそうな気がするけれど、重力多 > 体系の計算のような場合、運動エネルギーはともかく、ポテンシャルエネルギー > は対角化されていないから、べらぼうに複雑なスキームになりそうな気がして > ならないんですが、簡単にそんなスキームが見つかるのでしょうか。 正準変換であればいいというだけなので、そんなに難しいとも思えない のですが、どうでしょう?やはりここは吉田さんのレビュー(数理科学 1995/6)を読んでいただくほうが、半可通な私が答えるよりも確かなの ですが、、、ハミルトニアンがセパラブル、つまり T(p)+V(q)の形にな れば、安直な式として例えば q' = q + dt(dT/dp)_p=p p' = p - dt(dV/dq)_q=q'<-ここがq'になっていることに注意 みたいなものでいいそうです。(自由度は任意です)これはなんとなく だまされたような気がしますが、どうもそういうもののようです。ここ ではセパラブルというのがミソですが、そういう系はとても多いのでそ れはそれで役にたつわけです。 > 加速器の > 設計のため加速器中の粒子の運動を追うとか、飛翔体の運動を追うなんていう > 業務的な計算には役に立つでしょうが、多体系の性質を発見するため解くなど > という目的で使われているのでしょうか? 例えば古典的な leap frog scheme は、上の式と全く同じようにシンプ レクティックになっていますから、「重力多体系の計算にはほとんどシ ンプレクティック法が使われている」といっても一応間違いではないわ けだったりします。で、まあ、確かに同じ2次精度の普通の RK法やABMな んかに比べて例えばエネルギーの保存精度が劇的によくなります。もち ろん、このために、エネルギーが保存してるからといって結果が正しい かどうかはわからないということもあるわけですが。 > 誤解だったらいいんだけれど、いくら $\Delta t^4$ のオーダーまででよいと > いっても、正準変換がそんなに簡単に求まるとは思わない。なんの知識もなく > 解法を考えたら、ヤコビアンを逆転するような1次の陰的な解法しか思い浮ば > ない。 これはその通りで、一般のハミルトニアンでは陰的解法しかないはずで す。 牧野@東大駒場