Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!news.nc.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@chianti.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.physics Subject: Re: Science in USA/Europe Date: 10 Jan 1997 10:49:11 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 41 Message-ID: References: <5aur25$7qo@obl1.obl.cl.nec.co.jp> <5b4lsr$6pq$1@icpc05.icpc.fukui-u.ac.jp> NNTP-Posting-Host: muscat.c.u-tokyo.ac.jp In-reply-to: saka@digcode2.fuee.fukui-u.ac.jp's message of 10 Jan 1997 05:59:55 GMT >>>>> On 10 Jan 1997 05:59:55 GMT, saka@digcode2.fuee.fukui-u.ac.jp (Fuminori Sakaguchi) said: > 米国の雑誌に論文を投稿するのは、米国の研究者とは限りません。 > (分野によって事情が異なるので物理ではどうか自信がありませんが) > 米国の雑誌には世界中のハイレベルの研究成果が投稿されている有名雑誌が > 数多くあります。(物理だと Physical Review はじめAIPの諸雑誌とか, > 電子工学ではIEEEの中でも比較的レベルの高い一部のシリーズとか) > また、日本人研究者も、国内で研究が評価されるより欧米で評価されるほうを > 好む傾向があります。同様に、欧州の研究者が研究成果を国内の雑誌のみに > 投稿するとは限りません。 > したがって、比較の際は、サンプルの広がりや偏りを計算に入れる > 必要があると思います。 > ところで、このような調査は、社会学の格好の研究テーマになりそうな > 気がしますが、科学社会学などですでに研究されているものはないでしょうか。 > ご存じの方がいらっしゃいましたら教えていただけませんか。 天文学でのこういった調査、例えば H. Abt, Trends Toward Internationalization in Astronomical Literature, Publications of the Astronomical Society of Pacific v.102, p.1161, 1990. では、ヨーロッパ、英国、米国の代表的なジャーナルの間では、特にど の雑誌に集中するといった結果はなく、むしろ外国人著者の割合はどの 雑誌でもあまり変わらないという結果が得られているようです。ただし、 日本の雑誌では外国人著者の割合が有意に低くなっています。 H. Abt は The Astrophysical Journal の編集長を長年やっている人で、 もともとも専門はこういうことではありません。 Scientometrics とか そういった専門誌をみればもっとちゃんとした分析があるのだろうと思 います。 まあ、「米国の研究者」をどう定義するかというのも問題なので、雑誌 だけみてもわからないのですが。 牧野@東大駒場