Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!news.nc.u-tokyo.ac.jp!ecc.u-tokyo!komaba!news.c.u-tokyo.ac.jp!news.c.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@kaiji.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.physics Subject: Re: =?ISO-2022-JP?B?GyRCJVAlaiU5JUYlIyVDJS8kSjdPJEskKiQxGyhC?= =?ISO-2022-JP?B?GyRCJGtHLk5PM1gkSyREJCQkRiROPEFMZBsoQg==?= Date: 14 Nov 1997 08:10:52 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 47 Distribution: world Message-ID: References: NNTP-Posting-Host: kaiji.c.u-tokyo.ac.jp In-reply-to: izumi@ibis.iamp.tohoku.ac.jp's message of Fri, 14 Nov 1997 11:46:32 +0900 Xref: coconuts.jaist fj.sci.physics:6066 牧野@東大駒場です。量子統計はあまり使ったことがないので、嘘を書 いているかもしれませんが、、、 >>>>> On Fri, 14 Nov 1997 11:46:32 +0900, izumi@ibis.iamp.tohoku.ac.jp (izumi makoto) said: >  焦って書いたので省略が多くなり、言いたいことが正確に伝わらなかったよう > です。 >  まず、私が意図する小さな系というのは、電子が散逸を受けずに系の端から端 > まで移動できるだけ短い距離で(電子が)閉じ込められている系と言うことで > す。 この場合に(平衡状態の)熱力学がなりたたないとかいうことはありま せん。非平衡の時に LTE の仮定が使えないというだけです。 >  ところで前回はふれませんでしたが,「温度差ができる」という概念も注意を > 要します。本来,温度は熱平衡状態でなければ定義できないものですがローカル > に熱平衡に近い部分系についてはローカルな温度を近似的に定義できます。今の > 問題では電子系は「バリスティック」なのでそのような部分系にそれ以上わけら > れないのです。 これはもちろん正しいのですが、今、熱平衡を考えているんだからバリ スティックだろうがなんだろうがローカルな温度が定義出来ていて、そ れがどこでも等しくなっているはずですよね。 実際、ポテンシャルが与えられていれば、平均自由行程がなんであろう がエントロピー最大を与える分布関数はユニークにきまるわけです。 > して金属層の厚さは0.5cm程度とします。)そうして、電子とフォノンが右の方 > でぶつかりました。そうすると電子の運動量が大きく電子は下の準位に下がりま > した。反対に左の方では電子の運動量が少ないためフォノンとぶつかったとき上 > の準位に上がりました。(ここの部分で運動量が大きいときエネルギーを与える > 確率が高いと考えるのは不自然でしょうか。また、電子のフォノンの放出確率は > 条件は違うがキッテルの附録に載っており、波数kが大きいほどフォノンを放出す > る確率が高い。) この論理が正しいとすると、平均自由行程が短くても同じことが起きる ように思いますが、、、だって、ポテンシャルの底が違って、フェルミ レベルがおんなじなんだから、平均自由行程とは無関係に底上げされてる ほうで電子の平均の運動量は小さいのではないですか? で、フェルミ統計に従うってことは、要するに平均の運動量と温度がそ のままは対応しないってことだから、単純に運動量が大きいときエネル ギーを与える確率が高いと考えるのは不自然です。遷移確率を決めるの はフェルミレベルからのずれになっていますから。フェルミレベルから のずれは電子が層間を移動してもかわらないんですよね。 牧野@東大駒場