Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!newsfeed.btnis.ad.jp!newsbase.nisiq.net!news.hbl.or.jp!Q.T.Honey!quest-news!news.t.u-tokyo.ac.jp!news.ee.t.u-tokyo.ac.jp!news.sak.iis!news.iis.u-tokyo!news.nc.u-tokyo.ac.jp!ecc.u-tokyo!komaba!news.c.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@grape.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.physics Subject: Re: 解析可能性と予測可能性 Date: 22 Feb 1998 07:35:44 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 35 Message-ID: References: <697L0627.98Feb20234029@muse05.mse.waseda.ac.jp> <24083.887994172@rananim.ie.u-ryukyu.ac.jp> NNTP-Posting-Host: kaiji.c.u-tokyo.ac.jp In-reply-to: kono@ie.u-ryukyu.ac.jp's message of 20 Feb 1998 17:02:37 GMT Xref: coconuts.jaist fj.sci.physics:6831 牧野@東大駒場です。 >>>>> On 20 Feb 1998 17:02:37 GMT, kono@ie.u-ryukyu.ac.jp (Shinji Kono) said: >> つまり、運動量やエネルギー保存則などの式よりも、力学変数 >> の方が数が多いのです。 > これが、それにどう関連するかというと、こういう保存則が十分に > あると、解の集合を、その保存量によって十分に分類できるからで > す。で、これは一般にはできない... 可積分でも運動の積分が non-isolating である場合というのはあるわけ ですから、分類ができるというのは可積分より狭いですよね。 > ようなものだということがわかります。つまり、(3次元の)3体問題 > では、数値計算できるが、その数値の精度を任意に悪くできるよう > な状況が常に存在するわけです。これは、2体が非常に接近した時 > に、解が外乱に弱くなるからです。(2次元はできたような記憶があ > るけど、忘れた...) 解析解があるかどうかという問題については、3次元でも1次元でも3体は うまくいかないというのは同じだったと思います。 数値解は、基本的には解があれば求められますね。うまくいかない、す なわち解(解析解でなくて)が求められない場合というのは、要するに3 体が同時に衝突する場合(ここで衝突というのは、質点で位置が厳密に 重なるということ)です。 #1点同時多重攻撃、、、 2体の場合、あるいは3体でもそのうち2つだけが衝突する場合には、適当 な座標変換によって解を正則化することができます。で、これは2次元で も3次元でも出来ます。(3次元でする方法は1965年まで知られていませ んでしたが) 牧野@東大駒場