Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!newsfeed.btnis.ad.jp!newsbase.nisiq.net!news.hbl.or.jp!Q.T.Honey!quest-news!news.t.u-tokyo.ac.jp!news.nc.u-tokyo.ac.jp!komaba!news.c.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@grape.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.physics Subject: Re: temperature in a vacuum Date: 27 Feb 1998 10:25:19 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 39 Message-ID: References: <34F60C97.315982D4@inf.furukawa.co.jp> NNTP-Posting-Host: kaiji.c.u-tokyo.ac.jp In-reply-to: takeuchi@tako.akashi.ac.jp's message of 27 Feb 1998 12:21:54 +0900 Xref: coconuts.jaist fj.sci.physics:6854 >>>>> On 27 Feb 1998 12:21:54 +0900, takeuchi@tako.akashi.ac.jp (Masahiro Takeuchi) said: > はじめまして.全然遅くありませんです. >   完全な真空では、温度計との間で、原理的には熱交換ができないので >  計測ができません。 (1)で示すように原理的に計算できず、(2)の様に >  実際にも測定できないものは”不定”と言わざる終えないと思います。 > よくわかりました.たぶん学生たちも,なんとか納得してくれると思います. 完全な真空というのが、輻射もないということを意味するのであれば、 温度計は熱を輻射して絶対零度まで冷えます。で、そうでなくて普通の 宇宙空間であれば背景輻射の温度というのはまあいいところです。が、 >   宇宙空間の場合は、例えば1立方メータに1分子とかを想定すると >  この希薄な分子は、天文学的時間後に、温度計と熱交換を実施し、 >  熱平衡に達しますが、もともと、この分子は、すでに宇宙の背景輻射と この説明では、温度計自体が輻射を出すタイムスケールが考えられてい ないのであまり正しくありません。実際に輻射量を計算すればわかりま すが、結構あっというまに冷えます。 あと、典型的には星間分子は1立方メータに100万個くらいあったりしま す。その運動学的温度はいろいろですが、、、詳しくは L. Spitzer, Physical Process in the Interstellar Medium (訳:星間物理学、共立 出版)あたりでもごらんになるというのはでしょう。関係ないのですが、 これの訳者序はなかなか楽しめます。 > なるほど.『天文学的時間後に』というのが味噌ですね. > 計測器はすぐに反応するもの,という先入観がありました. > 例えば,宇宙服を着ないでシャトル外に出ると,瞬間に凍りついて > 死んでしまうのではなく,すこしづつ寒くなるということですね. > (変な例えですいません.でも16,17の学生にはとても興味深いようです) 高校の物理では最近はステファン・ボルツマンの法則はしないんでしたっ け?手頃な応用問題になると思うのですが。 牧野@東大駒場