Path: coconuts.jaist!cs.titech.ac.jp!news.dec-j!spin-hsd1-tky!spinnews!spin-pp0-osk!spinosk!news.ksi.co.jp!news.hbl.or.jp!Q.T.Honey!news.join.ad.jp!wnoc-tyo-news!news.nc.u-tokyo.ac.jp!komaba!news.c.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@grape.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.physics Subject: Re: 大気温と気候変動 Date: 31 Mar 1998 13:45:38 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 24 Message-ID: References: <6f3u1i$l8o$1@news.tut.ac.jp> NNTP-Posting-Host: kaiji.c.u-tokyo.ac.jp In-reply-to: akimoto@sirius.tutkie.tut.ac.jp's message of 22 Mar 1998 20:58:26 GMT Xref: coconuts.jaist fj.sci.physics:7090 >>>>> On 22 Mar 1998 20:58:26 GMT, akimoto@sirius.tutkie.tut.ac.jp (Ken'ichi Akimoto) said: > 地表付近の大気温の上昇が、種々の原因により(最近はCO2排出が主たる > 原因とされていますが)取りざたされていますが、 > 中高層の大気圏では逆に気温が下降傾向を示していると聞きます。 あ、これは実際にそういう観測があるという話なのですか?モデルによ る予測では、多分大抵のモデルで、二酸化炭素等のいわゆる温室効果ガ スの増加は対流圏での温度上昇と成層圏での温度低下を招くという結果 になります。 これは、おおざっぱにいえば、対流圏の温度分布に主に寄与するのは地 表からの放射、対流による加熱と大気自身の放射による冷却のバランス であるのに対し、成層圏では太陽からの放射の主にオゾンによる吸収と、 大気自身の放射がバランスしているからです。 二酸化炭素が増加すると対流圏では地表の熱が出ていきにくくなるので、 それを補うために全体に温度が上昇します。ところが、成層圏の温度は もともと対流圏や地表の温度とはほとんど無関係です。こちらは二酸化 炭素が増加するとむしろ宇宙に放射の形で熱を出しやすくなるので、温 度が下がることになるわけです。 牧野@東大駒場