Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!news.nc.u-tokyo.ac.jp!komaba!news.c.u-tokyo.ac.jp!makino From: makino@grape.c.u-tokyo.ac.jp (Jun Makino) Newsgroups: fj.sci.bio,fj.sci.misc Subject: Re: Molecular biologists like English so much. (Re: Physics Date: 08 Mar 1998 16:37:43 GMT Organization: College of Arts and Sciences, Univ. of Tokyo Lines: 61 Message-ID: References: <199803040139.KAA30654@comp.metro-u.ac.jp> <6diia2$248@newsj.cc.affrc.go.jp> <6dj0je$dl@sakura.kudpc.kyoto-u.ac.jp> <35017A3C.147B@dent.dent.tokushima-u.ac.jp> NNTP-Posting-Host: kaiji.c.u-tokyo.ac.jp In-reply-to: Yasushi Okada's message of 08 Mar 1998 21:47:56 +0900 Xref: coconuts.jaist fj.sci.bio:5871 fj.sci.misc:3865 >>>>> On 08 Mar 1998 21:47:56 +0900, Yasushi Okada said: > 生命科学の全分野集めても、1冊分になるかならないかといった程度の論文数 > しかないのに、雑誌が各学会毎、分野毎に非常に細かく分かれている現状では、 > 「立派な論文を外国の雑誌に送るから、日本の雑誌のレベルが低い」というの > は必ずしもあたらないだろう。 ちょっと引用を前後させますが、 > 「日本で書かれた論文の平均のインパクト・ファククター」は、あまりよい指標 > ではないと思います。むしろ、ある一定値以上上のインパクト・ファクターのを > 持つ論文の中での日本で書かれたものの比比率が、その分野での日本の国際的な > 地位を反映していると考えるのが妥当当なのではないでしょうか。 というのと > 他の分野はともかく、たとえば cell biologist は、Nature や Science や > Cell に出せる程ハイレベルだと思ったら、投稿するのに躊躇しないものだと > 思っていますが。 というのが正しいとすると、日本の生命科学者はよい論文を選択的に外 国の雑誌に送っているので、ある一定以上のインパクトファクターを持 つ論文の割合が日本の雑誌では大きく下がり、結果的に日本の雑誌のレ ベルが低くなっているということはありそうな気がしなくもないですね。 > で、インパクト・ファクターの高い雑誌での日本からの論文の比率は、その近 > 似として使えるだろう、と思うのですが。 岡田さんも下で書かれているような要因や、そのほかの要因、例えば、 「Nature や Science に出せる」と判断する基準の違いによるシステマ ティックなバイアスがかなり大きいように思うので、数倍程度の誤差は あるのではないかと思いますが、どうでしょうか? > 英語で論文を読み書きし、英語で発表し議論するというのが日本人にとって負 > 担でないとは、まったく思いませんし、英語を母語とする連中に比べて、その > 点で不利だと思います。構造的な問題ですし、個人の努力以外の解決策があれ > ば、それにこしたことはないと思います。が、高性能な翻訳機が完成して母語 > の違いが吸収されてしまうか、日本発の情報の重要性がいまよりも格段に高く > なり日本語の地位が向上する以外の方向は、思い付きません。他の考えをお持 > ちでしたら、教えて下さい。 えーと、日本発の情報の重要性がいまよりも格段に高くなったとしても、 それが英語で発信されていたら日本語の地位は向上しないでしょう。国 際的に日本語の地位が向上するためには、重要な情報が日本語で出てい る必要があります。 まあ、個人レベルでみると、「我々はアメリカ人に比べて損だ」っての はあるわけですが、構造的な問題として考えるなら、そもそも、例えば 生命科学なり天体物理学なりの国際的地位が低いということが解決する べき問題であるかどうか自体が問題ですね。 > おこなわれている問題点(日本人には不利じゃないか)があります。これについ > ては、日本にもトップジャーナルを作り、日本・・欧米問わず(日本だけでもい > いけど)公平にハイレベルの論文を掲載するようにするといった解決策が考え > られますが、英語で読み書き会話する必要があるという問題とは独立でしょう。 そういえば、どこかからそういう答申(雑誌を作らないといけないって いう)が出てましたね。どこでしたっけ? 牧野@東大駒場