Path: coconuts.jaist!norisuke.jaist!skylark!icspub!odins-suita!chiba-ns!news.kek.jp!wsclark!hu-eos-news!Q.T.Honey!quest-news!news.t.u-tokyo.ac.jp!news.nc.u-tokyo.ac.jp!train.ad.jp!suzuran!elite.eng.metro-u.ac.jp!user From: iizuka@comp.metro-u.ac.jp (iizuka-akimitu) Newsgroups: fj.rec.games.video.home.saturn,fj.rec.games.video.pc Subject: Re: YU-NO Date: Wed, 07 Jan 1998 19:02:16 +0900 Organization: TokyoMetropolitan Lines: 132 Message-ID: References: NNTP-Posting-Host: elite.eng.metro-u.ac.jp Xref: coconuts.jaist fj.rec.games.video.home.saturn:14477 fj.rec.games.video.pc:15697  飯塚(東京都)です。  内容からしてキャラゲーの議論ではないんじゃないですかねぇ。 In article , onizuka@mpapia.trc.rwcp.or.jp (Kentaro ONIZUKA) wrote: > > 痕と並べるのが、妥当とは思えないんですけど。(^^;) > > 私は設定がシンプルな分、痕方が完成度が高く見え、複雑な設 > >定になってる分、YU-NOは煙にまかれた気がすると思いましたね。 > > 痕分岐の数からいえば、YU-NO を上回るし、シチュエーションの > 違いというあたりも分岐で考慮するとさらにすごい数になります。  分岐の数だけに注目したって意味はないですよ。  複雑かどうかは、もっと総合的にとらえないと判断を誤ると思い ます。 > > 移動によるイベント発生ってのは、ユーザーが単に選択肢を選ぶ > >ビジュアルノベルより能動的にゲームに関わります。 > > と、思わされているだけで、私にとっては、かったるい以外のなに > ものでもない。実際、能動的というのは嘘で、それぞれの場所でそ > れぞれ用意されているイベントの場所でしかイベントは発生しない  AVGでの移動によるイベント発生というのは、「ストーリーを探す」 行為による感情移入を狙ってます。RPGでのレベル上げと一緒ですね。  しかしこれは当然諸刃の剣で「作業」になってしまう可能性がある。  かったるく感じるのは、そのせいですね。  けれどもそれは、 > > 画面のあっちこっちに仕掛けを作っといて、ユーザーが画面をク > >リックしまくる遊びが、古くからAVGにあるのもそのせいですね。 > > まあ、本質的に宝探しであるアドベンチャー ゲームはそういうもの > ですけれど。  そういうものであるわけです。仕掛けを作っといてクリックさせ ることで、積極的にユーザーが関わりを持たせる、つまり作業を遊 びにさせる方法がとられてきた。これが従来型のAVGの基本です。 > さらに、きゃんバニィぷる2では、移動ごとに時間がかかるので、 > それで黙っていても時間が進むのですが、YU-NO は違うでしょ。  システムの違うAVGを持ってきてどうすんですか。(^^;)  ビジュアルノベルは最初から時間もクソもないでしょう。  YU-NOのシステムは、ストーリー展開を重量制にして、しかもそ れを見えるようにしました。ここがシステム的に新しい点です。  本来フラグ立ての、イベント探しになってしまうAVGは、如何に イベント探しを「作業」にしないかの戦いでした。  その答えの一つが、イベントにフラグをつけるのではなくて、イ ベントにポイントをつけ、そのポイントの重量でフラグが立つ方法 ですね。  シーズウェアの「グロリア」というソフトがこれです。(確かこ のソフトが最初のはず)イベントに付けられたポイントで、エンデ ィングが分かれるようになっています。  YU-NOでは、このポイントが宝玉に当たります。  マルチストーリーのあっちこっちに落ちている、ポイントをかき 集め、全部集めるとストーリーが展開する。宝玉を集める順番はど うでも構わない。どんなやり方でもいいから、8個集めればフラグ が立つわけですね。  マルチストーリーと重量制を組み合わせた新しいシステムです。  もっと発展させて、宝玉3個で展開するストーリー。5個で展開 するストーリーという具合に、階層構造にするのがこれからこの システムの展開方向だと思います。 > > 最初はコマンド総当たりだったAVGも、ユーザーがもっとゲーム > >に関われるシステムを追及しています。「同級生」ってのはその上 > >で、ひとつのパイオニアですね。 > > これまたたるい。途中でやる気はなくなりました。elf 系は、YU-NO > も含めて、全部そうです。 「同級生」で新しかったのは、自分を中心にストーリーが動くので はなく、同時進行で複数のストーリーを走っている世界を作ったこ とですね。  だから自分というキャラクターが画面上に出てくるし、それは自 由に動かせる。結果自分から積極的に、動いてるストーリーに絡も うとしなければ、な〜んにも起きないAVGができたんです。  フラグがプレイヤーを待っていて、それが立たたなければ、日も 暮れないAVGが、ここで大きく進歩したわけですね。  しかしもちろんこれも、諸刃の剣でした。  形として、条件が増えてキツくなったイベント探しを、延々やる ハメになってしまった。プレイヤーが関わらなくてもストーリーが 進行していくわけですから、その筋からハジキ飛ばされると全くゲ ームにならない。  ヒントを出すのは、解決策として緊急非難的なものですね。  やはり同時進行しているストーリーを、プレイヤー側で察知でき るシステムを作ったほうがいいでしょう。方法の一つとして、接触 できるキャラクターの所在地をミニマップに表示させることが、結 構いい手じゃないかと思ってます。 > > ビジュアルノベルは、まだあくまでnovelであって、AVGよりユ > >ーザーを、のめり込ませるゲームシステムを提供しているとは思い > >ません。 > > だから、たんなる趣向の違いでしょ。趣味の問題ですからね。  いいや、そうではない。ゲームとして発展させるためのシステム の問題です。ビジュアルノベルは、あくまでnovelなんです。 > 簡単にいえば、マルチシナリオのゲームの演出の上で、ビジュアル > ノベルのほうが、より自然な姿で、それに「不必要な探索要素をつ > けるかどうか」、それだけの問題です。  全然違います。ビジュアルノベルはフラグ立ての脱却を、そもそ も放棄しただけです。ついでプレイヤーがゲームにどう関わるかと いう自由度も放棄した。  ストーリーを1本道にして、読むだけにすれば「イベント探しを 如何に作業にしないか」と苦労することもないし、「どうやってユ ーザーを遊ばせるか」と悩む必要もないですね。  ビジュアルノベルのシステム的展開は、既にもうその余地をほと んど残していないでしょう。ToHeartが移動でのイベント発生に走 ったのも、システムとしてもう壁にぶつかってしまったからだと思 います。  所詮、テキスト読ませるだけでは、ゲームとしての展開は無理だ という一番いい例になったんじゃないですか。   -- 「回せえぇぇっっっっ!!!」 「なんなんだ、お前。さっきから」 「マイブーム」   東京都 飯塚顕充 iizuka@comp.metro-u.ac.jp