Path: coconuts.jaist!wnoc-tyo-news!etlnews.etl.go.jp!news.trc!usenet@fs2.trc.rwcp.or.jp From: onizuka@mpapia.trc.rwcp.or.jp (Kentaro ONIZUKA) Newsgroups: fj.rec.games.video.home Subject: Re: Game System (Re: YU-NO) Date: 16 Jan 1998 21:34:49 +0900 Organization: RWCP Tsukuba Reserch Center Lines: 148 Sender: onizuka@mpapia.trc.rwcp.or.jp Message-ID: References: <69ncuh$len@ssogw.osk.ssy.sei.co.jp> NNTP-Posting-Host: pdappc1.trc.rwcp.or.jp Mime-Version: 1.0 (generated by tm-edit 7.35) Content-Type: text/plain; charset=ISO-2022-JP In-reply-to: tukui@osk.ssy.sei.co.jp's message of 16 Jan 1998 10:31:45 GMT X-Newsreader: Gnus v5.0.13 Xref: coconuts.jaist fj.rec.games.video.home:18123 In article <69ncuh$len@ssogw.osk.ssy.sei.co.jp> tukui@osk.ssy.sei.co.jp (Akira Tsukui) writes: >やっぱし、ビジュアルノベルはビジュアルノベルという >新しいカテゴリーを定義しちゃうのが正解なのかな? なんともいえません。私は、広義のアドベンチャーゲームというものを定義し て、その中にビジュアルノベルも、いわゆるアドベンチャーゲームも入れてし まう。さらに、広義のアドベンチャーRPGなるものを定義すれば、多くのス トーリー性のあるRPGも入ると思います。 >ゲームというには、プレイヤー側が取れるアクション >(能動要素)が少ないし、マルチストーリーというのは >従来の小説とも違う。 ># なんと言っても、Leafがそう呼んでるしぃ。(^^; マルチストーリーノベルといえば、昔の紙メディアのものもありますからね。 まあ、絵が入っているというのが重要な要素かもしれません。 http://www1.nisiq.net/~onizuka/shiho/dark.html は、絵も音もありませんが、一応マルチストーリーでマルチエンディングのノ ベルです。 今その手のものでもっとオリジナルのものも書いています。 >はい。そうです。 >ですから、現在のAVGもビジュアルノベルもフラグに >管理されている以上、プレイヤーの自由度を束縛 >したものになります。 フラグについては、実際にフラグなしでも、問題ありませんが、ただ、そうす ると、類似の場面を多数用意する必要があるので、プレイヤーの行動の履歴管 理として入っているものですよね。フラグの必要性は、たんに類似の場面を合 流させて同じ場面で表現する場合に、過去の履歴に応じて、場面とその場面か らの分岐などを制御するために導入されたと考えられます。 >ですから、現在のフラグ管理型のAVGに自由度があるとも言いませんよ。 >基本が同じである以上、同じ欠点を持っています。 そうだと思います。 >ゲームプレイヤーにとっての究極の自由度というのは、 >「どこへ移動しようが、何をしようが、何らかの結果が返ってくる。 > ただし、その結果とは製作者の意図(シナリオ)に従うとは > 限らない。」 >なのですから。 そうですね。将棋などはそういう意味で非常に自由度が高いです。たとえば、 将棋のコマのうち、王将とか金将だけを動かすことができて、他のコマが全部 コンピュータで自動的に動くような場合を考えると、回りに自分のコマがひし めいている「穴熊」状態でもないかぎり、どの場面でもなんらかのアクション ができて、しかも、そのアクションはプレイヤーにとって非常に自由度が高い ものであるわけですね。 >言い変えると、 >「製作者はゲームの世界(ルール)をプレイヤーに与えるが、 > 主導権を握るのはあくまでプレイヤーである。」 >です。 はい。将棋でもそうです。 ># いわば、テーブルトーク ロールプレイングゲーム的なもの。 ># 目指すのは、海だろうが山だろうがどこへ移動しても、 ># それなりに話が進み、それなりのオチがつく形態。 はい。 >現在のフラグが支配するAVGのシステムでは、製作者の >意図通りにしかゲームを進めることができません。 結局、そうですね。その中で多少の分岐があるのが、マルチストーリー系のア ドベンチャーゲームです。ビジュアルノベルでも痕などはある程度自由度があ りますけれど、非常に限られています。 >そして、ビジュアルノベルも現行のAVGのシステムと本質は >一緒です。 はい。 >ということは、両者ともプレイヤーに「真の自由度」を >与えることが出来ないのではないでしょうか。 そうですねぇ。 ># 製作者が発する毒電波に操られて「ある作業」を >#「選択」するしかない状況になってるとも表現できるかな?(^^; そこいらへんで、ある意味、場面ごとのシーン(映像)や文章(記述)が自動 生成できるくらいまでがんばれれば非常に自由度の高いビジュアルノベルやア ドベンチャーゲームができると思います。その辺のモデル化の方向について、 http://www1.nisiq.net/~multiscenario.html にまとめたのですた。 >しかしながら、両者の本質が同じであるからこそ、 >プレイヤーに真の自由度を提供することは難しいと >判断するしかないのです。 ># 同じことを書きますが、AVGだけではなく、現在のシナリオ ># をフラグで管理する多くのコンピューターゲームのシステム ># が持っている共通の問題です。 そうですね。しかも、それらのゲームでは、フラグ立てなどに関するプログラ ミングは非常にアドホックな方法をとっているようです。 重要なことは、モデリングだと思います。もっとも、モデリングをして、自由 度が高いからといって、感動的なストーリーが出てくるかどうか、それはなん ともいえません。 >少なくとも私の頭では、現在のビジュアルノベルの形式で >プレイヤーに自由度を与える方法について、なーんも >アイディアが出てこなかったです。(T_T) ># もし、そのアイディア思いついたらゲーム会社に ># 売れるんじゃないかな? 一応、上に書いたURLで方法を提示しているので、見てやって下さい。 >ビジュアルノベルの究極の形態なら思いつくのですが。 ># 1)シナリオ/音楽/CGが動的に自動生成される。 これですね。 ># 2)プレイヤーの行動制限がない。 ただ、行動制限というのは、どうしてもある。つまり、論理的に、あるいは常 識的に考えて、主人公なりなんなり登場人物の行動は、その登場人物が持って いる情報や、アイテム、さらにいる場所や時間によって制約されるわけです。 よって、登場人物のその場面において存在している場所、持っている情報、そ の場面の時間などから「常識的に判断される可能な行動(移動も含む)」を全 てプレイヤーに提示し、その中で好きなものが選べるようなものであれば、そ れで十分だと思います。 >## 現代の技術では不可能だろうなぁ〜。 >## これが出来る時代なら、きっとマルチが作れる >## に違いない。(^^; いや、「ぜんぜん面白くないけれど、自由度は高い」程度のゲームなら十分い けると思います。その点を、こんどの情報処理学会 「数理モデル化と問題解決」 「ゲームとモデル化」 3月20日電機通信大学 で発表しようと思います。 鬼塚