Path: katsu From: katsu@sra.co.jp (WATANABE Katsuhiro) Message-ID: Date: 28 Sep 1995 00:36:45 GMT Organization: Software Research Associates, Inc., Japan Distribution: Newsgroups: fj.life.money Subject: securities companies. 正確にはお金のお話じゃなくて、証券会社の窓口のお話です。 株式投資信託の勉強を始めようとして、証券会社めぐりをしました。 窓口で応対してくれる人って、どうして女性、それも妙齢とおぼしき人 ばかりなのでしょう。大変嬉しいけど、そろいもそろってだと不気味。 さて、会社がお休みだったので、Gパンに鮮やかな黄色のポロシャツ、 真っ赤なデイパック、櫛を通さない髪という格好で出かけたのですが、 童顔の私がこういう姿では、これは(投資信託に託すような、万単位の) お金を持っているようには絶対見られないみたいです...... [1]大手A証券新宿支店 9:30 私 「基準価額とインデックスの比較のグラフで、『分配金調整済み』 とありますが、どういう意味ですか?」 説明係 「ええと、ちょっと待って下さい。」 (どこかに電話かける) 説明係 「分配金が支払われた時に、(早口でよくわからない説明)」 私 「分配金が支払われた分を価値と見なして価額に加えるのですか?」 説明係 「うん、そうです。」 私 「(2本の線が)100%の所から始まって(お互いに上下して) いますが、いつの時点が100%なんですか?」 説明係 「うんと、...」 私 「設定日ですか?」 説明係 「うん、そうですね。」 私 「でも、設定日は 198X 年と、パンフレットには書いてありますが?」 説明係 「そうですねえ... ... ...」 印象悪かったのは、「はい」じゃないくて「うん」と応対するところだけど、 私が保守的なのかな。お嬢さんより私の方が年上だと思うし、もしかしたら いいお客さんになるかもしれないのに。接客の印象と投資は関係ないと割り 切っていいものかどうか......次にはネクタイ締めて出かけてみよう。万一 それで応対が変わったら暴れてやるう。 [2]大手B証券新宿支店 10:30 私 「換金する時の、解約請求と買取請求って、どう違うんですか?」 説明員 (近くの上司に尋ねにいって、5分ぐらい戻ってこない。) 「常に買取と思って下さい。特に指定しなければ買取になりますから。」 私 (今まで「ふつうは解約」と教わっていたので驚いて) 「え!でも、買取の方が税金が多くて不利じゃないですか?」 説明員 「...そうですねえ。」 私 「普通は税金が少なくて済む解約で換金したいんですけど」 説明員 「...そうですよねえ...」 (黙り込んでしまう。もう聞きに行く先がないのだろう。) 私 「ええと、それじゃあ、他の支店にでも電話をかけて尋ねてみることに しますんで。」 説明員 「そうですね。そうなさってください。では当社の支店の一覧表を 差し上げますので。...」 (といって、本当に一覧表をくれる。) 私 「ありがとうございます。それではこれで失礼します。」 間違うことや、わからないこともあるとは思うよ。私も自分の仕事のことなんて、 全然理解できていないもの。でもさあ、お客をそんなに簡単に他の支店へ振って 大丈夫?ノルマとかはないのかなあ、ってのはお節介な心配か。 [3]大手B証券の上とは別の新宿の支店 11:30 私 「(この商品の株式分について)投資先銘柄の詳細を見せて下さい。」 説明員 「それはお教えできないことになっています。」 私 (直前にいった同じ会社の別の支店では、端末にすぐ呼び出して見せて もらえていたので、) 「他の証券会社さんでは教えていただけましたが?」 説明員 「そうですか。上司と相談しますが、お昼休みでわかる人間がいなく なりますので。」(正確にこの通りの言い方だったかは自信なし) ちなみに時刻は11時55分であった。まあ、支店(や係員)によって、 客に教える情報の範囲が違ってても無理はないし、「信託」なんだから、 銘柄まで気にする意味は薄いんだろうけど。でもこれで、今まさに窓口に 座っている私の立場はなくなって、「そうですか。また時間を改めて来ます。」 以外のセリフは考え付かなかった。 [4]大手C証券新宿支店 14:30 (10万円以上で)1円単位で投資できる株式信託の話をしていて 私 「株式の組み入れの比率なんてわかります?」 説明員 (滅多に調べないことなのか、端末と3分ほど悪戦苦闘して) 「今現在 79.2% ですね。」 私 「この信託では分配金は再投資されるとありますが、1口持ってて、 200円/口だけ分配があって、その時点の基準価額が 10000円だったら、 0.02 口が再投資されるんですか?小数でもいいんですか?」 説明員 (どこかに聞きに行って5分以上戻って来ない) 「はい。0.02 口が再投資されますね。」 私 「うまく割り切れない時もありますよね。そういう時は?」 説明員 (どこかへ聞きに行って5分ぐらいして戻ってくる) 「小数点以下3桁まで口数を計算して再投資します。」 私 (小数点以下4桁目は切捨てるのか?四捨五入するのか? その場合余ったり足りなくなったりする数円はどこへ行くのかと 質問したかったが、時間がかかるので遠慮する。未だに不明...) 私 「受益証券説明書を見せて下さい。」 説明員 (探しに行って10分ぐらい戻ってこない。) 説明員 「申し訳ございません。ただいま切らしておりまして。」 私 「え!いつ手に入りますか?」 説明員 (問い合わせに行って3分ぐらい戻ってこない。) 「4営業日かかります。」 これで私はカッと来て、席を蹴るように出てきてしまいました。質問が細かかっ たので、その応対に時間がかかることもあるでしょう。でも、「株式信託は 初めてなので教えて下さい。」とわざわざお願いしている私に、受益証券 説明書を見せてくれないというのは致命的でした。バカ正直に受益証券 説明書を読もうなんていう客は少ないのかな... もし「受益証券説明書は後でもいいから注文を出します」と言っていたら、 注文を受け付けていたのだろうか。それとも「一度お読みになってからの方が」 と、価額が大きく動く商品の買付けを4日間も待たせていたのだろうか。 [5]大手B証券の、さらに別の新宿の支店 (上とは別の日) 特定業種に投資し、適宜業種をスイッチできる種類の信託の話をしている時、 カタログにはスイッチング手数料 0.4%(たしか) と書いてあるのを見ながら、 私 「なるほど。スイッチングには、どういう手続きがかかるんでしょう? 例えば手数料とか...」 説明員 「手数料はかからないんですよ。」 私 「カタログには 0.4% と書いてありますが?」 説明員 2、3秒無言 「ええと、手数料はかかりませんよ。」 自分の知識とカタログとに矛盾があったのに、どうして調べようともせず、 自分の方が正しいと押し切ることができるんだろうか。カタログを読み直すと、 公社債中心に運用するマネーファンドとのスイッチに限り手数料がかからない、 と書いてあり納得。自分が納得できてしまえばそれでいいと思い、深く 追求しなかった。 そうこうするうち、奥の方で40代の管理職らしき人が、机の前に立たされて いる20代の人にお説教を始めた。 管理職 「1800万のお客さんと、10万のお客さんがいた時にだよ...」 私は10万のお客さんの部類に入るんだけど、その私の耳にはいるように お説教をはじめなくたって。でも内容としては当然だよね。普段はスマシた 顔をしている証券会社の窓口で、こんなにあからさまに本音を聞けたのは ラッキーなんだろうな。なんだか嬉しいぐらいだ。 -- 渡邊克宏@SRA