ダンスを始めた頃の思い出話

十代の頃、バイト先で知り合った薬剤師のおじさんにダンスに誘われる。 どうやって誘われたのか、もはやよく覚えていない。 場所は「青年会舘」で、大学教授が教えてくれていた。 教授の踊りは、当時の印象でも今思い出してもそんなに上手ではなかったが、 スルリスルリと、りきみのないものだった。 この頃の日記には、
初めてダンスをする。先生の相手の女性がきれい。 なかなか楽しく、適度な運動になる。
などと書いてある。最初は Blues と Mambo をやったと記憶している。 (次の週からは、「ジルバ。難しい。」とか、 「Waltz 難。」「少々疲」「のれない」といった言葉になり、 嫌になった時もあったのか「ダンス(今週で)最後になるか」という 記述までみられる。)

ダンスに通い始めて間もなく、 NHK教育TVで篠田学先生の「レッツダンス」が始まり (あるいは番組の方が先だったか?)、 サークルの人数も増えてきてた。 しかし反抗期の私は「レッツダンス」のようなしゃれた番組を見る 姿を家族に知られたくないと思い、見ないようにしていた。

就職で東京に出てきてダンスのことはすっかり忘れてしまった。 しかし、会社のそばにダンススクールがあり、なにかとその前を通ることが多く、 踊っている人々が窓からのぞいたりかくれたりするのを気にするうち、 ついふらふらと引き寄せられて習い始めることに...