Message-Id: <9307251117.AA05856@sran14.sra.co.jp> To: ydoc@sra.co.jp Subject: Re: [YDOC] Asking error detection of "Software kanri no otoshiana" In-Reply-To: Your message of Thu, 15 Jul 93 23:30:53 JST. <9307151431.AA00732@sran125.sra.co.jp> Date: Sun, 25 Jul 93 20:17:20 +0900 From: WATANABE Katsuhiro > Date: Thu, 15 Jul 93 23:30:53 JST > もう一つは、そのために再版の準備に掛かりたい、訂正の赤をいれた本を、 > 来週末までに送れ、との依頼です。  もう締切りは過ぎちゃったようですが、いまディスクの dump/restore を する間に図表類と5章を中心にバラバラと読んでみたので、気がついたことや、 わからなかった点を書いておきます。 +5L は最初から5行目、-5L は最後から5行目という意味です。 ← は本文からの引用で、→は修正案のつもりです。 p.95 -6L ←だが、現在のCASEツールは...旧世代の...方法論を自動化したものなので、 ←今後の数年間に方法論自体 ←がツールの能力を十分に生かしたものに進歩することが期待できるはずだ。 前段では、現在のツールが方法論から10年遅れていると言っていながら、 後段では、これから方法論自体がツールに追い付いていくと主張するのは矛盾。 p.99 -12L ← 厳格で公式なやり方で 公式なやり方とは?なにかの manual で指示された通りに行うこと? あるいは formal の直訳?逆に非公式なやりかたとはどんなものを指すのか? p.102 +6L ←計画はかなり非公式なやり方で行われる 非公式な計画とは?計画した結果が正式に採用されないこともありえるという 意味?それとも informal の直訳? p.102 +20L ←クライエント →クライアント p.104 図5.4 ←プロトタイプ求定義計画 →プロトタイプ要求定義計画 p.105 図5.5 ←コンピューターひよる生成 →コンピューターによる生成 p.106 +10L ←ユーザーの要求仕様上の要素 ←を、さまざまなモデルを通して生成されたコード上の要素とひとつひとつを対応さ ←せるやり方で追跡することが、 要求仕様上の要素のひとつひとつをコード要素と対応させるなら →ユーザーの要求仕様上の要素のひとつひとつを、 →さまざまなモデルを通して生成されたコード上の要素と →対応させるやり方で追跡することが、 だろうし、コード要素ひとつひとつに元となる仕様要素があるということなら →ユーザーの要求仕様上の要素を、 →さまざまなモデルを通して生成されたコード上のひとつひとつの要素と →対応させるやり方で追跡することが、 といった表現であるべき。いずれにせよ、「ひとつひとつ」の前後の助詞が どこか不適当。「追跡」されるのは「仕様上の要素」だから、前者か? p.106 +20L ←現代の滝型ライフサイクル →現代版滝型ライフサイクル 滝型ライフサイクルの variation のひとつに「現代版」という名前を つけたのだし、ここの文脈でも現代の一般的傾向のようなものを述べては おらず、上のように名前づけした具体的なひとつのライフサイクルについての 文章なのだと思う。(原書読んでないので勝手な想像ですけど。)  「現代の」にしてしまうと、p.104,p.105 で新たな視点を具体的に 記述したことが、だいなしになりはしないか? p.107 図5.6 ←小さな部品は必要か? 小さな部品とは何か?大きな部品、あるいはただの部品との違いは何か? (以前の章で説明してあるのかな?) p.108 +6L ←公式的な厳格さと 次の行で、公式的な厳格さと対をなすものとして「自由気ままな」となっているが、 だとすれば、 →形式ばった厳格さと のようなものの方がよかったのでは? p.109 -6L ←仮りに →仮に p.110 -8L ←「重要な価」 図が示す重要な点という意味ですか? わざわざ括弧で強調しているのは何か理由があるのでしょうか? p.113 -2L ←ストロウストラップ →ストラウストラップ 日本での表記ならば、多分下の方が人々へのとおりがよいと思う。 p.114 +9L などなど、本の全域に渡って ←シレアー →シュライアー 日本での表記ならば、多分下の方が人々へのとおりがよいと思う。 少なくとも、付録 B では大方「シリアー」になっているので、 シレアーかシリアーのどちらかに統一する必要がある。 p.120 図5.12 縦軸横軸が何なのかわからない。 p.122 +3L ←「暗黒の王国」 黒から、なにかよくないことを示しているぐらいのイメージはわくけれども、 映画か本の題名?それとも「銀の弾丸」のような業界用語? p.122 +6L  どうも意味がよくわかりません。  技術成長曲線の最底辺にいる組織が、「もし曲線のどの位置にいるかを 知っているとしたら」というのは、自分たちが最底辺にいることを 知っているという意味ですよね。で、そうした場合には生産性を大幅に 向上させることがありえないと書いてありますが、では「曲線のどの位置に いるか知らない」としたら、つまり最底辺にいることに気がつかなければ、 生産性の向上はありえるのですか?  この文の次に、「このため」という接続詞がありますから、次の文のための 根拠を述べているはずなんですが、文同士の意味の関係が理解できませんでした。 p.123 +13L ←速める →早める p.124 -5L ←ピート・コードと →ピーター・コードと 多分他のページ(例えば p.114 +12L)と同じ表記にしたほうがいいでしょう。 p.124 -4L ←次に述べるいくつかの注目すべき共通の特性が見られることに気づいた。 といっていくつか bullet が並んでますが、例えば、「設計作業の本質に 影響する要因」というのは、それ自体は特性ではないでしょう。 →いくつかの注目すべき共通の特性が見られることに気づいたので、 →これについて以下のような項目に分けて引き続く節で述べていこう。 という意味だということに気が付いたのは、ずっと読み進んだあとで、 p.127 で 5.8.2 節を見つけたときのことでした。 p.125 +20L ←本能的に設計されている 本能的な建築設計とはどういったもの?無意識的ということ? p.126 -12L ←パターンが「正し ←い」パターンは機能し悪いパターンは機能しないという形で進化する →「正しい」パターンは機能し悪いパターンは機能しないという形で →パターンというものは進化する p.127 -9L ←構造化分析/構造化設計支持者は、ボーイスカウト ←の徳目のように再利用がよいことであることは知っているが、 適当な句読点がほしいところではないでしょうか。私は「ように」を 「よいこと」と結び付けて読んでしまい、最初のうち意味がわかりませんでした。 「ように、知っている」でしょうね。 →構造化分析/構造化設計支持者は、再利用が良いことであると知ってはいるが、 →それはボーイスカウトが徳目をただ暗記しているようなもので、 という意味ですよね。ちょっと前の日本なら →それは国民学校生徒が教育勅語をただ暗記しているようなもので、 でしょうか :-) ちなみにわたしは教育勅語を暗記してません。 p.131 -11L (もし原書が formal という語を用いているなら) ←公式で →形式的で p.132 +12L, +14L ← VECICLE → VEHICLE p.133 +1L ←少さく →小さく p.134 -12L ←対象をなす →対照をなす p.135 +1L ←章末注釈 これは参考文献とか、文献リストのほうがふさわしかったと思います。 p.138 -13L ←眠界 →限界 p.195 脚注 欠陥の数に関心を払っていたり、それを示すのは誰? 文脈からすると、「関心があるのは欠陥の数であって、他のなにものでもない」 ようなことを表現しようとしているようですが、違いますか? p.196 +14L フラグなしコンパイルとはどのようなコンパイルのことでしょう? 文法的エラーが発見されずにコンパイラーを通った場合のことですか? p.196 脚注 ←こうした誤りは普遍的であるばかりでなく、  普遍的というのは、文字どおりに「どんなプロジェクトでもそうした誤りがある」 ということですか?  この脚注の中心は、分析段階まで遡るような誤りによる影響は大きいことを 言おうとしているはずですが、その主題と「普遍的」ということばがどうしても 結び付きません。 p.202 +5L クルト・ワルドハイムとは信頼の薄い人のようですが、実際誰なのでしょう? p.203 -4L ←同じ理由で、......効果を疑う。 →これは、......のと同じ理由からであろう。 p.236 図9.1 ←コードの再種用 →コードの再利用。 p.247 図10.1 『「そのために作る」』設計の門の、「そのため」とはどんな目的のこと? p.256 図10.6 「前進的」CASE とは?incremental な作業を支援する CASE のこと? あるいは単に「先進的」CASE ということ? p.259 図10.8 ←フロポチャート →フローチャート p.278 図11.1 ←透明な →透過的な p.347 -7L ←公式的な →形式的な -- 渡邊克宏@SRA