Path: sran265!katsu From: katsu@sran14.sra.co.jp (Katsuhiro Watanabe) Message-ID: Date: 21 Jan 92 18:38:20 Organization: Software Research Associates, Inc.,Japan In-reply-to: setsu@aml.co.jp's message of Dec 91 02:40:03 GMT Newsgroups: fj.sys.news, fj.unix Followup-to: fj.unix Subject: Re: NEWS 830 Hunged up. Distribution: fj References: (Followup-To: に注意)  おそらく jp で一番 follow が遅い渡邊@SRAです。 記事 で setsu@aml.co.jp (Setsu Suzuki) さんいはく > NEWS 830 + 拡張 HDD で、HDD を accsess 中に830 が気絶する現象に > 悩まされております。 > Multi User Mode で走っている時に、イッキに fsck -n を掛けると、そのまま > 気絶する。  気絶する件とは無関係ですが、fsck とシステムログに関する記述の部分で 気がついたことがあります。 > 例えば、以下のような script を走らせると、 > > #! /bin/sh > fsck -n /dev/rsd00d & > fsck -n /dev/rsd00e & > fsck -n /dev/rsd00f & > fsck -n /dev/rsd01d & > fsck -n /dev/rsd01e & > fsck -n /dev/rsd01f & > fsck -n /dev/rsd01h & > fsck -n /dev/rsd02f > > 確実に unix が気絶します。 > > この時、気絶するちょっと前に "cannot allocate buffer pool." という > message が console に出ます。/usr/adm/messages には書き出されて > いません。( file close する暇がなかっただけかもしれませんが。)  「cannot allocate buffer pool」という警告は、fsck(8) を実行するために 必要な記憶域を確保できなかった時に出る警告ではないでしょうか。 > 構成は NEWS 830 + CDC-Wren-V ( 600 MB ) + Fujitsu-M2624SA ( 520 MB ) です。 というように、メモリーの少なめの機械で、相対的に大きめのディスクを つけて一気に fsck をかけたような場合に起こり得ます。仮想記憶を ぎりぎりまで使った状態で fsck すれば、健全な機械ででも簡単に 再現しますから、ディスクの障害とは無関係だと思います。(根拠のない 単なる思いつきですけど、本題のディスクトラブルも、実はメモリ不足が 関係していたりしませんか?)  また、fsck が標準エラーに出しているだけで、システムログとも関係 ないはずです。  ついでにシステムログのしくみについてですが、 > この時、気絶するちょっと前に "cannot allocate buffer pool." という > message が console に出ます。/usr/adm/messages には書き出されて > いません。( file close する暇がなかっただけかもしれませんが。)  syslogd(8) はログを書き込んだ後で /usr/adm/messages などをいちいち close(2) することはありません。(SIGHUP を送れば、一旦ファイルを close して /etc/syslog.conf に応じて再度 open しなおしてくれます。)  ちなみに BSD でのファイルシステムの実装の話をすると、ファイルが 物理的なディスク上に書き込まれるかどうかと close(2) とは、関係が ないと思います。(例えば、文献[1]の Figure 7.12 には、close と ファイルシステムの関連の浅さが陰に表現されていると考えられます。)  関連があるとすればむしろ sync(2),fsync(2) の方でしょう。 参考文献 [1]Leffler S.J., M.K.McKusick, M.J.Karels, and J.S.Quarterman, "The Design and Implementation of the 4.3BSD UNIX Operating System", Addison-Wesley, Reading, MA, 1989, ISBN 0-201-06196-1. (翻訳:中村明,相田仁,計宇生,小池汎平,『UNIX 4.3BSDの設計と実装』,丸善, 1991年,ISBN 4-621-03607-6) -- ----____----____ 渡邊克宏 SRAソフトウェア工学研究所