Path: sran265!katsu From: katsu@sran14.sra.co.jp (Katsuhiro Watanabe) Message-ID: Date: 12 Mar 92 19:10:53 Organization: Software Research Associates, Inc.,Japan In-reply-to: yutaka@skunk.nri.co.jp's message of 30 Jan 92 07:54:22 GMT Newsgroups: fj.lang.prolog Subject: Re: prolog term Distribution: References: <13363@skunk.nri.co.jp> jp で一番 follow が遅い渡邊@SRAです。 記事 <13363@skunk.nri.co.jp> で yutaka@skunk.nri.co.jp (Yutaka Matsumura) さんいはく > " :- "を何と読むかというはなしを。 > わたしは、初めは"ころんば−"でしたが、同僚から"めだか" > という読み方を耳にして、以来それを愛用しています。  文献[1]は8年前ぐらいに出た本ですが、これの7ページの脚注には、 文献> 我国では :- のことをメダカ記号と呼ぶことがあります(東北大学 文献> 富樫敦氏の発案による)。 とあります。富樫さん(現在東北大電気通信研究所助教授)は気鋭の 研究者で、最近も bit で連載記事を書いたりしているようです。  富樫さんと Prolog との関係で思い出したことが一つあります。  通常の Prolog では、ゴールと unification 可能なホーン節が複数ある 場合、まずは適当な一つと unify してみて後々失敗したら backtrack して 他を試すような実装がよくおこなわれます。でも、logic の側面から見れば、 backtrack は Prolog の本質と関係ないと言っていいですよね?(他に どんなやり方があるのかは知りませんけど。)  富樫さんは、どれを選べばうまくいくのかわからない複数の選択肢の 中から、ちょうどうまくいく一つを選ぶ仕組み(現実には backtrack の ことが多い)について、しばしば 「どの節と unification すればよいかは『神様』が知っていて」 という言い回しを好んで使っていました。  私が修士で富樫さんに指導を受けていた頃のある日のゼミで、 選択肢のなかからうまい一つを選ぶこのような仕組みに関して、 一人の学生が 「神様がいて教えてくれればいいんだけどなあ」 という意味のことを言ったところ、富樫さんは即座に 「いや、神様はいるんですよ。」 と断言していました。富樫さんはけいけんなクリスチャンですが、 これは単に神を信じる言葉だったのか、それとも探索範囲を狭める 驚くべき方法が将来見つかることを暗示したものなのかは不明です。 参考文献 [1]後藤滋樹;「PROLOG入門(知識情報処理の序曲)」ソフトウェアライブラリ=1; サイエンス社;1984年;ISBN4-7819-035205 ----____----____ 渡邊克宏 SRAソフトウェア工学研究所