2.3 で突然「ソシュール」が出てくるが、 これは直前の 第61回での発表のまとめ の最後を受けている。 ソシュールはチョムスキーと同じぐらい著名な言語学者。
タイトルが挑戦的だが、 これは 2ちゃんねる というWeb掲示板における「煽り」という様式に影響を受けたものである。 当時初めて 2ちゃんねるでの議論の進み方を目にし、言葉遣いの突飛さを面白いと感じて採用してみた。 2ちゃんねるを見たことがない人には異様なだけなので失敗だったと感じている。 また、後日2ちゃんねるをよく見ると、煽りつつも最後は丁寧な調子になるのが正調のようである。 これに習えば、 「オマエらそんなに Open Source で儲けたいんかお聞かせいただけませんか?」 のようにすべきだったのかもしれない。
渡邊克宏 <katsu@sra.co.jp>
SRA Linuxソリューション部 仙台作業所所長
http://www.sra.co.jp/people/katsu/
1. 結論
なんかしらんが、儲かんない。
長期的には、「CSCW」を温故して「Open Contents, Open Things, Open なんでも」を知新してはどうか。
2. この発表の構成と概要
2.1 妙に煽ってるタイトル
2.2 発表者 background
エラソーにしてるが仙台人じゃん。高貴な関西への劣等感の裏返しだな。ぷぷっ。
Linuxやってんの?え、違うの?UNIX屋でもないの?じゃなんでここにいんの?
オブジェクト指向グループ→オープンソースビジネス部→Linuxサポート部
歴史的コンピュータとソフトウェアプロジェクトに関する昔話 http://www.sra.co.jp/people/katsu/doc/comphist/
結局SRAで何やってんのさ?
オマエほんとに渡邊克宏?実は第61回… http://www.sra.co.jp/people/katsu/grep/
2.3 ソシュールと構造主義哲学
群論を使ってニューギニア島原住民の家系の構造を明らかにしたり(「悲しき熱帯」)。
「価値は交換によって生まれる」
人間は対話を求めて生きる動物。
2.4 Computer Supported Cooperative Work
なんか古めかしい言葉に聞こえる、が。
Computer Supported
Cooperative Work
2.5 交換とOpen SourceとCSCW.
共創・交換・共有・協調・調和・対話…といった共通の属性あるいは内包
☆関西(I):ここでの「関西人」の定義は?(生まれ育ち在住地は無関係に定義したい)
突然 (a)初対面 の (b)仙台人 が現れて、「あなたは関西人ですか?」と質問した。返答は?
(1) 「いいえ」「ちゃうで」など、無条件に否定的な返答 → not 関西人
(2) 「はい」「そゃ」のように肯定的、または「そうともいえるし、そうでないともいえる」「シカゴ在住ではあるけどね」など、一部分でも肯定的な表現を含む返答 → 関西人
(3) 上のいずれでもない返答。「関西人の定義は?」「いきなりなんゃ、ナメとんのか、あ〜ん?」 → not 関西人 (関西人は親切だから初対面で事を荒立てまいという予想)
(4) Non-terminate(無返答):Timeout で近似。128年以内に返答なし。→ 関西人
明治に文豪たちが話し言葉を書き言葉に導入した時以来、「方言」扱いが進む一方(書くことで物理媒体に固定)で悔しくないんかな。関西人は関西専用語を作っては?アイヌの「ト°」(日本語による便宜的表記)みたいに「な°」とか。「ぼちぼちでんな°」。
3. SRAでのOpen Source Businessのいくつかのケースについて
3.1 Wingnut
引地信行・美恵子夫妻、1980年代後半に一年間FSFで仕事。
日本で最初のGNUサポートプロジェクトが誕生。では2番目は?
自由な(free)ソフトウェアのサポートとしても開拓者。
Cygnus(RedHatが吸収)のように会社にはなりそこねた。小規模な体制。
gcc のサポートはよく受託できている。たぶん他にどこもやらんのね。
(1) GNU無名期(1990年代前半)
(2) GNUの知名度が上がった時期(1990年代後半):Wingnutは free software fever や Linux fever にうまくとりつくことができない。
(3) 現在:GNUのソフトウェアが普通になりすぎた。
“GNU/Linux”の仕事が Wingnut に来たという話は聞かない…
3.2 PostgreSQLサポート
日本PostgreSQLユーザ会会長石井達夫。十年を越える利用経験。開発にも参加。ユーザコミュニティへの貢献が厚いこともあって信頼度が高く、引き合いが沢山くる。忙しい。Oracleがひとつの壁。
サポート会員もけっこう契約数あり。「サポートで儲ける」という幻想が実現したかにみえるが…
3.3 Linuxサポート
忙しい。引き合い沢山。でも競争も激しい。SRAは独立系ソフト屋。ハードやネットワークは他から調達しなくちゃならない。オープンシステムという観点では有利。一方、扱うコンポーネントの保守管理に信頼を得られなければ大企業・企業グループに負けることになろう。
3.4 じゅん(筍):トポロジとマルチメディアで武装した3Dライブラリ(Smalltalk,Java)
青木淳:UNIX屋さんは知らないかも。オブジェクト指向に興味がある人は知ってるか?相変わらず講演依頼が殺到。
海外、特にヨーロッパからの反応が良い。「製品に組み込みたい」あや〜GPLだっぺ。
大学等といくつかの共同研究が始まっている。
侵害のつもりではないのに、特許問題に4回も直面。
XP的開発プロセス(XPの概念より先に、小さい螺旋の開発プロセスの論文を出している)。最新バージョンは Jun402。
3.5 コンサルテーション
安くコンサルテーションを請負い、その繋がりでお仕事を回してもらおうという戦略…
フリーソフトウェアの導入を勧めたりもしてみた。生産性向上でお客様はお喜び。しかし、考えてみると単なるセミナー屋に終わっていて、あまり仕事もこない。(1990年代中盤から後半)
やっぱりコンサルテーションはベラボウなゼニもらわないと帳尻あわない。
3.6 Lessons learnerd.
サポートで儲かると主張してた人もいるけど、結局ゼニだけ見てると普通のソフト開発と状況はたいしてかわんないじゃん。Open Source の利点って他で探さないとね。
3.7 裏技:割り切って投資に徹する(やめとけヨ)
Open Source コミュニティとの接点が深ければLinux株で儲けることは(他の株に比べれば)楽だったと思う。Linux株沸騰前に証券会社やアナリストがLinux関連会社に連日押しかけていたことは、Insiderでなくても知られていたから。
4. CSCWと Open Source の関連
4.1デザインパターン
4.2 eXtreme Programming
くり返し(作成と破壊・再構成=「refactoring」)のプロセスを究極にまで短く小さくしたもの。
一回のプロセスで実装する仕様を限定して素早いリリース。
一回の開発が終わったら、refactoring を行う。
壊す・捨てる・忘れる=禅宗の「こだわりのない心」
pair programming (ここにもまた交換する人間の存在)
Smalltalkでのプログラム開発経験から生まれた発想。
4.3 Open Source コミュニティにみるCSCW
Mailing List, NetNews,共有Storage(FTP, Web), CVS, SourceForge,…
知的所有権に関する問題は解決したのか?
Common Lisp の仕様策定は成功だったのか?Schemeの仕様策定は成功だったのか?
関西(II):仙台人が持つ関西人についてのstereotype
うまいもん沢山知ってる。けど蕎麦と納豆は食べない。
店の前で「この店まずいで!入らんとき。」実にOpen Source コミュニティ的
5. 結論再び
Open Source の新展開: CSCWを暖めるべ。(新しい Keyword を考えたいさな〜)
UNIX 系プログラムの新展開: Java じゃなくSmalltalk 勉強したらどう?
jus関西の新展開:仏教(禅宗哲学:こだわりのない心)なんてどう?
関西の新展開:書き言葉開拓なんてどう?
255. この発表を振り返って、その構造に気がつきました?
発表自身が「XP的」なつもり。
0. 終わり。今日んところはこんくらぃにしといたるっ。